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サポートトピックス・CAD/UC-1シリーズ | ||
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橋脚の設計において、偶発(レベル2地震動)の照査に用いる終局水平耐力Puは、基部の曲げ耐力より決定されますが、上部構造などから偏心モーメントが作用する場合は、その影響を適切に評価する必要があります。 今回は、お問合せをいただくことの多い偏心モーメントの扱いについて解説いたします。 偏心モーメント 上部構造がはりや柱の中心に対して偏心している場合や、はり形状が非対称となる場合、死荷重による偏心モーメントが発生します。この偏心モーメントが、地震時慣性力や風荷重等と同じ方向に作用する場合は、一般的に厳しい載荷状態となるため設計上安全側となりますが、照査項目によっては逆に危険側となる場合もあります。 耐力の余裕判定に用いるPu 「道路橋示方書・同解説 Ⅴ耐震設計編」(以下、道示Ⅴ)(P.204~205)(1)では、検討方向と反対方向のPu算定において、偏心モーメントの影響を無視してよいとされています。 この理由として、反対方向に作用する偏心モーメントを無視して制限値を計算する方が、安全側の設計となるとともに計算の煩雑さを避けることに配慮したためと解説されています。 「橋脚の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)」(以下、橋脚製品)では、下記の設定で「安全側となるとき考慮」と「無視する」から選択可能で、「安全側となるとき考慮」を初期値としています。 ・「考え方|偶発(レベル2地震動)」画面の「柱(基本条件)|柱に生じる主荷重によるモーメント」 図1の例では、①の場合に安全側となるため、考慮するのが一般的となります。 基礎の設計水平震度khpの算定に用いるPu 道示Ⅴ(P.206)の解説では、偏心モーメントが作用する橋脚基礎の設計において、その影響を考慮せず算出したPuを用いると規定されています。 この理由として、基礎照査時は安全側の設計水平震度を用いるという配慮をするためとされています。 ここで、耐力の余裕判定では、検討方向と同方向に作用する場合が安全側となるのに対し、khp算定時は逆に危険側となる理由は、khpが橋脚の終局水平耐力Puより求められる橋脚から基礎へ伝達する地震時慣性力の上限値に相当する設計水平震度であるためです。 そのため、Puが大きくなればなるほど基礎へ伝達される地震時慣性力は大きくなり、安全側の設計と見なすことができます。 橋脚製品では、下記の設定で考慮有無を指定可能で、安全側という観点からkhpが大きくなる下記の設定を初期値としています。 ・「考え方|偶発(レベル2地震動)」画面の「はり・フーチング・基礎|設計水平震度khp算出時の偏心モーメント」 「検討方向と同じ方向に作用するとき考慮する」:チェックなし 「検討方向と逆方向に作用するとき考慮する」 :チェックあり 図2の例では、①の場合に無視すると安全側、②の場合に考慮すると安全側と考えることができます。 |
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