橋脚柱段落とし部の補強として繊維シート(FRP)を柱軸方向に貼り付けることにより、引張鉄筋を増設するような効果を期待し、柱の曲げ耐力の増加を考慮できます。このような場合に、断面にFRPを貼り付けます。貼り付ける位置によって操作が異なります。
ここでは、例えば、下図のような分岐部とゼブラゾーンを作成してみます。
ナビゲーション
「モデル特性|フレーム要素の断面|断面サムネイル」
1.「FRP貼付け」を指定します(図1)。
2.「FRP貼付けパラメータ」タブで赤枠部分をクリックします。その後、開始ボタンを押してある頂点をクリックします。次に終了ボタンを押して別の頂点をクリックします(図2)。全周に設定する場合は図4で簡単に設定できます。
3.デフォルトでは反時計回りに設定されます(図3)。
「寸法データ」タブで赤枠部分にチェックを入れると全周に設定されます(図4、図5)。
ナビゲーション「照査設定|断面照査要詳細入力」
「部材軸方向の貼り付け長」を入力します。これはFRPの剥離を考慮するパラメータです。土木研究所「コンクリート部材の補修・補強に関する共同研究報告書(Ⅲ)、H11.2」に記載されています。貼り付け長は、フレーム要素の長さに無関係です。照査位置から繊維シート端部までの長さの最小値です。設計上、剥離を終局の定義から除外するには、1000mなどと大きな値を入力します。この場合はコンクリートが終局に達するとき又はFRPが設計強度に達するときのいずれかで決定されます。詳細は、ヘルプ「Engineer’s Studio Help|計算理論|断面計算関連|炭素繊維シートの考え方」を御覧ください。
(Up&Coming '20 春の号掲載)