未来を可視化する

長谷川章のアート眼  Vol.25

社会の未来を語るキーワード「シンギュラリティ」をテーマに、長谷川章氏のアート眼が捉えるものを連載していきます。人類が生命を超え、加速する未来を可視化する鍵を探ります。

長谷川 章(はせがわ あきら)

中国中央電視台CCTVのステーションロゴを始めNHKのオリンピックオープニング(1996)、ニュースタイトル、TV-CMなど数千本の制作してきた長谷川章が、日本人の持つ無常の精神から空間・環境のアーティスティックなソリューションであるデジタル掛軸を発明し今日のプロジェクションマッピングの創始者となった。

Akira Hasegawa

音と音楽の本質に関する考察

音は物質の揺れや摩擦によって発生する振動であり、これが媒質(空気、水、固体など)を通じて伝播します。音波が楽器や建物などの共鳴体に影響を与えることで、特定の音空間が構成されます。音楽の構造や音響の特性は、物理的な音波の伝播と共鳴によって形作られています。

音の知覚と心的再生

音は単なる物理的な振動ではなく、聴く者の脳内で神経電流として再生されるものです。

このプロセスには、音波が鼓膜を振動させ、その信号が神経系を通じて脳に送られるという一連の過程が含まれています。音の知覚は、単に音波の伝播だけでなく、聴取者の記憶や感情に基づく主観的な体験なのです。

音は物理的に存在するだけでなく、聴取者の心の中で意味や感情を生み出しています。

音はどこにあるのだろうか?

音楽の体験とアート

音楽の体験は、聴く者が音をどのように受け入れ、どのように感じるかによって変わります。

無音の場面でも、感覚や意識の中で音を「聞く」ことができるという考え方から、音楽やアートは聴く者の心に深く関わるものであるといえます。音楽の「作曲」は単なる音の配置にとどまらず、聴取者がそれをどのように解釈し、感受するかによって生まれる創造的なプロセスでもあるのです。

音と音楽は、物理的な現象と聴取者の心の中での体験との交差点に存在します。

TEDxSeedsにて石黒浩博士と対談
「なぜに人間はジェミノイドを作るのか?」
「それは、赤ちゃんを産めない男のコンプレックスではないか?」

音は物質の振動から生じ、音空間を構成しますが、最終的には聴取者の感覚や感情に依存して「聞こえる」のです。
この視点から、音楽や音の体験は単なる物理的な事象にとどまらず、聴取者の心の中で新たな意味や感情を創造するプロセスであることが理解できるでしょう。

TEDxSeeds2009に登壇
「音はどこに消えていくのか?」

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