Ⅲ. マインドフルネスストレス低減法(Mindfulness-Based Stress Reduction:MBSR)
ピュシス統合医療クリニックで行っているMBSRのプログラムを図に示します。MBSRはグループワークでもあり、8週間の注意を集中するトレーニングです。週1回の2時間半の参加と1日のリトリートからなっています。ボディスキャン、ヨーガ、呼吸瞑想や静座瞑想などを身に着けていくことで、身体感覚に気づき、情動調整や自己の体験のとらえ方の変化をもたらします。
プログラムの第1週から3週ではボディスキャン、ヨーガを行う中で、身体を通して、いままで無意識であった「自分とつながっていること」が意識化されていきます。自分の身体への感覚、そして五感がクリアになっていきます。また呼吸瞑想を学ぶことで、呼吸に注意を向けていく過程によって、思考優位から体の声を聴くようになっていきます。第4週と5週ではストレスについて学び、ストレス対応としてマインドフルな対応を学ぶ大切な時期です。不快な出来事をとおして、身体の示しているストレス信号に気づき、自分の行動がいかにストレスによってかりたてられているかに気づくようになります。そして日常のストレスを感じたときの自分自身の習慣的な反応に気づくようになります。この習慣的な反応を自動反応と呼んでいます。自動反応に気づくことで、今までと違うストレスの対処法をみにつけていきます。特に、思考や感情をありのままに観察すること、物事を歪めることなくありのままに気づき、その思考や感情から距離を置くことができるようになります。第6週では対人関係において、コミュニュケーションを通してマインドフルネスな対応について学び、第7週では日常生活における様々な場面でマインドフルネスを実践していく練習を行います。プログラムが修了する頃には、日常生活だけでなく、人生においてマインドフルネスな生き方につなげていくことができるようになります。
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