参加型まちづくりにおけるVR活用の意義
まちづくり・地域づくりにおいて、さまざまな利害関係者の参加による合意形成への努力が必要であることは今さら強調する必要もありません。とりわけ、自治体が行う事業においては「参加」をどのようにデザインするかに大きな努力が払われるようになっています。
しかし現状では、「参加」は手続き的に考えられていて、いわば「ガス抜き」的な取り組みが多く、かえって住民などの反発を招いている場合も少なくないようです。
一般に、参加型まちづくりにおいて、参加する側の満足感や達成感が得られるには、プロセスの「見える化」が必要だといわれています。つまり、合意が形成されていく過程のわかりやすさをどのようにデザインするかです。
そのためには、
安心・安全のまちづくりでの活用例
UC-win/Roadが得意とする道路や橋脚、都市再開発などのハード整備は多くの活用例があります。とりわけ、「3D・VRシミュレーションコンテスト」はVR活用による参加型まちづくりの優れたヒントの宝庫です。
そこで、ここではソフト面での取り組みとして、「まちの安心・安全」をテーマにした参加型ワークショップの実践例を紹介します。
この事例は、オフィス街・商店街・住宅地などが混在する中目黒駅周辺で行ったものです。第1段階ではタウンウォッチングとマップづくり、第2段階ではそれらの情報をVR空間に反映したものでワークショップを開催しています。
第1段階で参加者自らの手作業によるワークショップを行うことで、住民どうしや行政と住民の相互理解をすすめるというワークショップ本来の効果とともに、参加者の関心ないし議論の焦点を絞り込みやすくなり、そのことがVRに反映する上で経費や時間の節約につながるという利点もあります。
第2段階では、住民らが地域で掘り起こしてきた情報をVR上に「見える化」することで、課題の分析を深めることができます。たとえば、「ここの十字路が危ない」という声について実際の交通量データを反映することで検証することができます。また、「昼間はいいが、夜になると暗くて怖い」といった声にも夜間環境をつくりだして検証することもできます。
さらに、ハザードマップなどの行政情報を加えることで、集中豪雨などの際の浸水の危険性を確認するといった、ふだんの生活では気付きにくい潜在的なリスクも「見える化」させて、住民の理解や対策を引き出すことも可能となります。
アナログな作業(ワークショップ)とデジタルな処理(VR)を組み合わせることで、学習効果が高く、わかりやすい合意形成のプロセスをデザインすることができました。この事例の場合、ワークショップに精通したファシリテーターと、VRに精通したフォーラムエイトのスタッフがチームを組んだことにより、効率的な運営が可能になりました。
プログラム例
この事例での作業日数と関係者の役割を紹介します。ワークショップのテーマや求めるアウトプットによって変わるべきものですが、ひとつの目安として参考にしてください。
※前提
日程 | 内容 | ファシリテーター | VR技術者 |
打合せ | 参加者の設定、課題の事前把握、プログラムの確認、アウトプットの生かし方の議論 | 1 | 1 |
準備作業 | 現地下見、関連情報の収集、必要な備品・消耗品等の手配 | 1 | 1 |
基礎データの作成 | 0 | 10 | |
第1回WS | タウンウォッチング、マップづくり、成果の交流、課題の議論 | 1 | 1 |
まとめ | WSの記録作成、VRへの反映方法の検討、第2回WS実施方法の検討 | 1 | 1 |
VRへの反映 | 0 | 2 | |
準備作業 | VR反映状況の確認、WS実施方法の確認、必要な備品・消耗品等の手配 | 1 | 1 |
第2回WS | VRを使った疑似体験と感想などの交流、成果の生かし方の検討 | 1 | 1 |
まとめ | WSの記録作成、VRへの反映方法の検討、成果品のイメージ共有、活用方法の提案 | 1 | 1 |
VRへの反映 | 0 | 2 | |
活用 | 発表会、WEB上での公開など(必要に応じて) | (1) | (1) |
計 | 7人/日 | 21人/日 |
▲中目黒安心チェック
▲第10回 UC-win/Road協議会/
VR-Studio®協議会
関連情報
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見積もり参考例
仮想ハンドル制御機能の開発 |
参考見積価格(10工数) ¥500,000 弊社製品VR-Cloud®上で、タブレットにあるジャイロ機能を使用した運転が可能 |
橋梁点検ツール |
参考見積価格(40工数) ¥2,000,000 既存システムをベースとし、タブレットに適応したユーザインターフェースを開発(写真撮影、画像処理、DB連携等) |
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