ラリージャパンでオジェ快勝、
王者決定はサウジアラビアへ

エンピツ舎  武井 佳代

11月6日(木)-9日(日)

Sébastien OGIER(セバスチャン・オジェ)/ ヴァンサン・ランデ(Vincent LANDAIS)組が優勝し、世界王者を懸けたタイトル争いは、最終戦サウジアラビアへ向けて三つ巴の展開となりました。最終日は朝から激しい雨に見舞われ、舗装路は水が浮き上がるほどの厳しい状況でしたが、オジェはトヨタのチームメイトでありポイント首位のエルフィン・エバンスを相手に、わずかな差を丁寧に積み重ね、最終的に11.6秒差で勝利しました。この結果、ランキング差はわずか3ポイントに。カッレ・ロバンペラも6位に入り24ポイント差で続き、トヨタの3名が最終戦にタイトルの可能性を残す形となりました。

序盤の額田ステージでエバンスが0.8秒差を縮め反撃の姿勢を見せましたが、続く三河湖ステージでオジェが再びリードを拡大。その後も雨脚が強まる中、安定した走りで主導権を渡しませんでした。一方、3位争いでは大きなドラマがあり、前日3番手のヒュンダイのエイドリアン・フルモーがコースオフでリタイア。代わってサミ・パヤリがキャリア初の総合3位に浮上し、トヨタは地元ラリーで1-2-3フィニッシュという快挙を成し遂げました。

Wednesday 5 November
Autograph Session Service Park (Fan Zone)

TOYOTA GAZOO Racing WRTが1-2-3フィニッシュ

Wednesday 5 November
Welcome Show Toyota City Station Road

Thursday 6 November
Open Toyota Stadium

Saturday 8 November
Liaison(Road Section) Ena Iwamura & Ena Station

Saturday 8 November
Toyota City SSS TOYOTA BRIDGE

Saturday 9 November
Okazaki SSS Okazaki Chuo Sogo Park


WRC2 初優勝の快挙!
カチョン、雨のラリージャパンを制す

Alejandro Cachón(アレハンドロ・カチョン)/ Borja Rozada(ボルハ・ロサーダ)組(TOYOTA ESPAÑA)が、WRC2クラスで初の優勝を飾りました。大会最終日は激しい雨で視界も路面も悪くなる難しいコンディションでしたが、カチョン選手は落ち着いた走りで最後まで首位を守り抜き、約55秒の差をつけてゴールしました。

上位争いでは、終盤にヤン・ソランス選手がコースアウトし、ニコライ・グリアジン選手が2位に浮上。結果として、トヨタ車を操るカチョン選手とソランス選手の2人が表彰台に立つかたちとなりました。

カチョン選手は「実は直前まで車が日本に届かず、チームが急いで飛行機で運んでくれたんです。本当に信じられない気持ちです」と語り、チームへの感謝を強調しました。

4位に2025年全日本ラリーのチャンピオン、ヘイッキ・コバライネン/北川紗衣組、5位に新井大輝/立久井大輝組、若手のディエゴ・ドミンゲス選手も上位に入り、国や世代を超えた多彩な選手たちが熱戦を繰り広げました。

すでにWRC2年間チャンピオンとなっているオリバー・ソルベルグ選手は、今大会はポイント対象外ながら力強い走りで注目を集めました。

FORUM8 WRC2 Most Stage Wins Annual Award 2025
シーズンチャンピオンは、WRC2チャンピオンのオリバーソルベルグ/エリオット・エドモンドソン組に

FORUM8 WRC2 Most Stage Wins 受賞のアレハンドロ・カチョン/ ボルハ・ロサーダ組がWRC2を制覇

選手にインタビュー

Q.VRでは、橋もトンネルも雪もジャンプも組合せは自由自在。
リアルの世界で戦う選手たちが理想のコースを作るなら?

返ってきた答えは、それぞれのドライバーが持つラリー観そのものだった。リアルとバーチャルのあいだで描かれる理想のステージには、やっぱり “自分が最も気持ちよく走れる道” がにじみ出ていた!!

1 Oliver Solberg(スウェーデン)

雪のジャンプや、長いコーナーのあるコース!

2 Grégoire Munster(ルクセンブルク)

理想のステージには、まずトンネルを入れたいです。暗所から明るい場所へ抜けるあの難しさが好きなんです。ジャンプやヘアピンはもちろん必須。思いきり加速できる長いストレートも入れたいです。いくつかのコーナーには泥もほしい。少しトリッキーな状況があると、走りがもっと面白くなるんですよ。

3 Kalle Rovanperä(フィンランド)

たくさんのジャンプと雪を組み合わせて、それからいくつか橋も入れて。“ラリー・フィンランド風”の道を、冬バージョンにした感じですね。すごく楽しいと思います。

4 Adrien Fourmaux(フランス)

橋、トンネル、ジャンプ、雪、ロングストレート。全部。それがラリーの面白さですから!

5 Josh McErlean (アイルランド)

橋、トンネル、ジャンプ、ダウンヒルはいれようかな。いらないかな。雪、ロングいいね!

6 Thierry Neuville(ベルギー)

ターマックが好きだから、ターマックが多いステージがいい。少しだけグラベルの区間があって、ジャンプがあるような感じ。アップダウンが多くて、ツイスティで、スピードが出すぎない道が好きなんです。季節は夏。天気がよくて、グリップがよくて、しっかり路面を捉えられる。そんなステージが理想。

7 Diego Domínguez Jr.(パラグアイ)

とにかく“長いステージ”です。ジャンプやヘアピン、少し下りもあって、路面はグラベルがいい。グラベルは絶対に外せません。夏が一番好きなんです。日差しも強くて暑いくらいがちょうどいい。

8 Richard Millener M-Sport Ford team principal(イギリス)

“全部入り”で。雪もターマックもグラベルも、ぜんぶ詰め込んでしまいたい。ちょっとモンテカルロみたいな感じで。テクニカルなステージが好きなので。スピードは少し控えめで、ツイスティ。ヘアピンもあって、コーナーの近くに難しいジャンプがあるような。油断したら一気に持っていかれるやつ。4日間で四季を全部やりたい。で、1日は “イギリスみたいな雨で最悪な日” も入れておきたい!

9 Jan Solans(スペイン)

ターマックよりグラベルのほうが好きなのでグラベルロードで。それにトリッキーでツイスティなステージを加えて、コーナーが多くて、少し狭いけれど、グリップがしっかりしていて、速さを出せるような道が理想かな。季節は夏で。暑いほうが好きなので夏。雨は嫌です。快晴がいいです。

10 勝田貴元(日本)

ずっとジャンプ。ジャンプ。ずっと5速で全開で行きながらジャンプするのが好きです。ずっと雪でジャンプ!

(Up&Coming '26 新年号掲載)




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