今回は建築基準法施行令82条で要求されている荷重の組合せについて、Multiframeを用いた場合の設定方法をご紹介いたします。
荷重・外力状態 |
多雪地域 |
No |
長期 |
常時 |
G+P |
① |
積雪時 |
G+P+0.7S |
② |
短期 |
積雪時 |
G+P+S |
③ |
暴風時 |
G+P+W |
④ |
G+P+0.35S+W |
⑤ |
地震時 |
G+P+0.35S+K |
⑥ |
G:固定荷重、P:積載荷重、S:積雪荷重
W:風圧力、K:地震力 |
表1 組み合わせ荷重 |
1.荷重条件
風圧力については水平方向のみ考慮するものとします。
固定荷重 |
5200N/㎡(架構自重を含む) |
積載荷重 |
1800-1300-600N/㎡ |
積雪荷重 |
多雪地域、1.5m×30N/㎡/cm=4500N/㎡ |
風圧力 |
P=1200N/㎡ X方向:1.2×8m×4m/2=4.8kN×4箇所 Y方向:1.2×6m×4m/2=3.6kN×4箇所 |
地震力 |
w=5.2+0.6+(4.5×0.35)=7.375kN/㎡
W=7.375×6m×8m=354kN
Co=0.3
Q=354×0.3=26.6kN×4箇所 |
表2 荷重条件 |
2.架構モデル
今回荷重を設定する構造物はスパン6m×8m×高さ4mの平屋建てとします。「フレームウィンドウ」にて、以下の設定をします。
- ラーメン生成、「ベイ数=1」「階数=1」「フレーム数=2」「ベイの間隔=6m」「階の高さ=4m」「フレームの間隔=8m」(図1)。
- 柱脚部節点を選択し、「ピン拘束」。
- 梁要素を全て選択し、「セクションタイプ=H-390x300」。
- 柱要素を全て選択し、「セクションタイプ=□-350x350x12」。
- 「矩形パネル」で節点No.5→No.8を選択(図2)。
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図1 ラーメン生成 |
図2 架構図 |
3.荷重設定
- 「荷重ウィンドウ」、「ケース>荷重条件の追加>静的」、「名前=G」「荷重の種類=固定荷重」、荷重パネル1を選択して、「全体パネル荷重」「下向き、圧力=5.2kN/㎡」。
- 積載荷重も固定荷重と同様に「名前=P」「荷重の種類=積載荷重」「下向き、圧力=1.3kN/㎡」として荷重条件を追加(図3)。
- 積雪荷重も固定荷重と同様に「名前=S」「荷重の種類=雪荷重」「下向き、圧力=4.5kN/㎡」として荷重条件を追加。
- 風圧力は「名前=Wx」「荷重の種類=風」として荷重条件を追加。柱頭の節点を選択し、「節点荷重」「左向き、値=4.8kN」。同様に「名前=Wy」「奥向き、値=3.6kN」(図4)。
- 地震力も風圧力と同様にKx、Kyとして荷重条件を追加。
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図3 荷重図(積載荷重) |
図4 荷重図(風Wy) |
4.荷重の組み合わせ
- 「荷重ウィンドウ」、「ケース>荷重条件の追加>静的組み合わせ」、「名前=①G+P」「G=1.0、P=1.0」(図5)。
- 同様に②~⑥について組み合わせ荷重条件を追加します。積雪荷重については組み合わせ係数として0.7、0.35を考慮します。また、④~⑥についてはX、Y方向の正負それぞれについて設定する必要があります(図6)。
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図5 組み合わせ荷重条件:(1)G+P |
図6 荷重ケース |
5.断面検定
「デザイン>チェック」にてAIJによる断面検定の設定を行い、「解析>線形解析」「結果ウィンドウ>断面算定」にて、最大となる検定比の荷重条件を確認することができます。
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図4 ライセンス認証時のメッセージ |
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