Ver.3の改定内容
「UC-BRIDGE(部分係数法・H29道示対応) Ver.3」では、主な機能追加として下記の項目に対応しました。今回はこれらの機能について概要をご紹介します。
- 橋梁防護柵に作用する衝突荷重に対する照査に対応
- H29道示に準拠した固有周期の計算に対応
- プレストレス荷重及び温度差荷重によるせん断2次力のみの考慮に対応
- 前提条件の検討に対応
橋梁防護柵に作用する衝突荷重に対する照査に対応
H29道示「Ⅲ コンクリート橋・コンクリート部材編」の「9.6 橋梁防護柵に作用する衝突荷重に対する照査」に従い、車両用防護柵への車両の衝突により生じる曲げモーメントに対して、床版部材が安定となるかどうか照査を行います。
この照査は横方向解析の床版設計モデルに対してのみ行い、以下の式による作用の組合せによる曲げモーメントが規定の制限値を超えないことを確認します。
1.00(D+L+PS+CR+SH+E+HP+U+GD+SD+CO)
制限値については、鉄筋コンクリート部材では最外縁の引張側の鉄筋が降伏強度に達するときの曲げモーメントの90%、プレストレストコンクリート部材では引張縁側に配置したPC鋼材(配置されない場合は鉄筋)が降伏強度に達するときの曲げモーメントの90%とします。
H29道示に準拠した固有周期の計算に対応
旧基準版で対応していた固有周期の計算機能を、部分係数法・H29道示対応版にも追加しました。
「Ⅴ 耐震設計編」の記載に従い、固有周期の計算の際に、死荷重の荷重組合せ係数及び荷重係数を考慮しています。具体的には、メニュー[基準値]-[部分係数]画面(図1)にて赤枠で囲んだ箇所の値を、躯体の重量wに乗じます。
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図1 固有周期の計算に用いられる荷重組合せ係数及び荷重係数 |
プレストレス荷重及び温度差荷重によるせん断2次力のみの考慮に対応
旧バージョンまでは、内力であるプレストレス荷重及び温度差荷重によるせん断力について、常に1次力と2次力を足し合わせた値を表示・出力していました。Ver.3では、このせん断力から1次力を差し引くためのスイッチを追加しました(図2)。1次力を考慮しない場合は「2次力」を選択してください。これまでと同じ結果を得たい場合は「1次力+2次力」を選択してください。
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図2 [構造解析]画面 |
前提条件の検討に対応
H29道示Ⅲ編にて、設計計算における前提条件として規定されている検討項目について、結果画面のツリーメニューにて1つにまとめ、流れに沿って確認できるようになりました(図3)。
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図3 前提条件の検討 |
おわりに
上記以外にも複数の機能改善を行いました。また、今後も機能拡張・改善を予定しています。ご期待ください。
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