「メタバニアF8VPSによるメタバースを用いたオンラインオープンキャンパス」
関西大学 総合情報学部
関西大学 総合情報学部
教授 総合情報学部長
総合情報学研究科長
名取 良太
関西大学 総合情報学部
准教授
小林 孝史
関西大学 総合情報学部
准教授
佐々木 恭志郎
関西大学 総合情報学部
教授
田中 成典
【修士1年】笹原 悠太、西木場 悠
【学部4年】湯川 大智、武岡 洋希、伊藤 匠、猿渡 雄哉、中田 蓮生、林 崇弘、青木 綾音、伊藤 里織、溝口 史乃、塩谷 愛里沙、和田 枝里子
【学部3年】谷口 寛実、内本 達也
高校生の進路選択に関する調査では、「校風や雰囲気」を重視する割合が約45%、その雰囲気を知る手段として「オープンキャンパス」が約79%を占めている。コロナ禍を契機に来校型からオンライン型が増え、76%の高校生がオンラインでの参加経験があるという結果になっている。
このように、オンラインでも「校風や雰囲気」を感じられるオープンキャンパスのニーズが高まっている中で、関西大学総合情報学部では、「メタバニアF8VPS」のメタバースを用いて、場所や時間の制約なしに参加できるオープンキャンパスを整備し、学部説明会・キャンパス散策・体験的コンテンツを通じて関大生の姿がイメージできるようにすることを目指した。
フォーラムエイトのメタバースモデリングツール「統合型3DCGソフトShade3D」および、メタバースプラットフォーム「メタバニアF8VPS」を活用して仮想キャンパスを構築。現実のオープンキャンパスと同時開催を行って、カスタマイズ可能なアバターで参加可能とした。3D空間でのキャンパス散策、動画コンテンツの視聴、インタラクティブな会話などを組み合わせて、ゼミ紹介や学部説明を体験的に提供した。
メタバニアF8VPSを使用するメリットとして、UIが直感的なため移動に苦労することがない点が挙げられる。
■エディター機能による空間作成
ブラウザ上の簡単な操作で3Dモデルの配置や編集、コンテンツ登録などが可能。Shade3Dで作ったモデルをメタバースで活用できる。
名取ゼミ・佐々木ゼミ・小林ゼミ・田中ゼミの4つのゼミについて、空間を作成し、ゼミ紹介や研究風景の動画を設置。参加者全員が同じ時間軸で視聴できるメディアコンテンツとして作成した。
各施設やゼミへアクセスできるポータル画面を設置し、高槻キャンパスを参加者が自由に歩行・散策できるコンテンツを用意。大画面で学部紹介の動画を上映するTEホールや、モノラボ、スタジオ、実習室など、キャンパス内の大小様々な施設の3D空間を再現することで、雰囲気を体感できるようなメタバースを作成した。
■アバター機能~実際の教員をリアルに再現~
■点群機能~メタバース内のキャンパス散策・各シーンで点群を活用~
大規模点群データをメタバース内に表示し、複数人で現場の情報共有や遠隔協議が可能。3Dモデルと同時に表示し、WebVR上での計測にも対応している。ここでは、学生がドローンで撮影した点群データを使って再現したキャンパスも仮想空間内で見られるようにした。
■PC・スマホ対応
アプリをインストールしなくても、パソコンとスマホの両方で、ブラウザだけでメタバースへのアクセスと操作が可能。
このように、大学の校風や雰囲気を体験できる新しいオンラインオープンキャンパスとして導入されたメタバースを、総合情報学部がある高槻キャンパスで2025年8月23日に実施したサマーキャンパスで、実際に活用した。
現地のオープンキャンパス参加者を対象にメタバースオープンキャンパスを体験していただき、そこでボイスチャットやテキストチャットを通じて先生や学生とのリアルタイム相談会を実施した。
また、現地とメタバースを照合して観覧してもらい、研究室に対するイメージを持ってもらうために、具体的な研究内容を紹介する動画やPDFを掲載し、それらを基にコミュニケーションを行った。
当日は多くの参加者があり、メタバースを実際に体験した高校生からは、アンケートを通して、「研究室や学部の雰囲気に触れることができた」「実際の研究環境や活動をわかりやすく知ることができた」「動画や説明を通じて具体的なイメージを得られた」など、校風や学部内容を理解する助けになったとの回答が多く得られた。
(Up&Coming '25 秋の号掲載)
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