Users Product Trial Report
ユーザ製品体験レポート

協同組合 土木設計センター/株式会社栄コンサルタント
代表取締役社長 大脇 清司

使用製品 RC断面計算(旧基準) Ver.8斜面の安定計算 Ver.13FRAMEマネージャ Ver.6

竹割り型構造物掘削工法において、UC-1設計シリーズの複数製品を組み合わせて活用する方法について紹介。リングビームの変形に対する検討ではFRAMEマネージャとRC断面計算で照査を実施し、補強後の安定計算では内的安定性について斜面の安定計算を使用しています。本レポートは前半と後半に分けて、第2回はUp&Coming10/1発行号に掲載いたします。

地盤分野における設計・解析・VRソフトの活用について 第1回

協同組合 土木設計センター/株式会社栄コンサルタント
代表取締役社長 大脇 清司(おおわき・きよし)

昭和55年大学卒業後に土木設計会社入社。
短期間道路公団、コンサルに出向し平成5年9月独立。

はじめに

山岳部の斜面上で橋梁下部工等の構造物を建設する場合の掘削方法としては、オープン掘削、親杭横矢板方式による土留めが一般的である。しかし、地形が急峻になると、オープン掘削では長大斜面が発生し、大量の掘削土砂及び用地が必要となり現況地形に悪影響を与える。また、完成後の斜面の安定性や維持管理費が問題となる。一方、親杭横矢板方式による土留めでは土留め杭施工重機の設置が必要となり広範囲の施工ヤードとなるうえに、アンカーを設置しながらの掘削となるため工事期間が長くなり工費も割高となってくる。(図1)

図1 土留め形式比較表

竹割り型構造物掘削工法は、これらの問題を解決するために採用されている。竹割り型構造物掘削工法は、斜面上に吹付けコンクリートで築造したリングビームをガイドとし、掘削段階毎にロックボルトと吹付けコンクリートで周辺地山を補強しながら垂直に掘り下げることを特徴とする工法である。この竹割り型土留め工法としての設計ソフトは現段階では存在していないため、項目ごとに対応できる設計ソフトを選別し計算を行っている。

写真1 竹割土留め完成

写真2 橋脚柱完成

工法の概要

竹割り型構造物掘削工法は、急勾配斜面上に竹割り型掘削の切土のり面の補強を目的とし、掘削により生じる変形をリングビームと鉄筋やロックボルトなどの補強材、吹付けコンクリート壁により制御し、地山を補強する工法である。

斜面上に構造物を築造する場合の掘削方法としては、オープンカットまたは、親杭アンカー等による土留めが一般的だが、急斜面地でのオープンカットでは掘削範囲が広範囲となり、地山の緩みや自然環境に与える影響も大きくなり、更に、親杭アンカー等による掘削の場合は、工事費も高くなり、工期も長くなる。

本工法は傾斜地の斜面なりに、補強材で構成されたリング状の鉄筋コンクリート製の壁をガイドとし、その内側を鉄筋補強材と吹付けコンクリートで地山を補強しながら垂直に掘削するものであり、掘削範囲を最小に押さえられると共に工期の短縮や工費の低減が図られる特性を持っている。

竹割り型土留め工法の計画フロー
『竹割り型土留め工法設計・施工マニュアル(案)』日本道路公団 平成16年5月より抜粋

竹割り型掘削の掘削径の例

部材名称図

本工法の設計について

本工法の設計に当たっては『竹割り型土留め工法設計・施工マニュアル(案)』を要領・基準として照査を行う。

・リングビーム設計
1.設計荷重  →  FRAMEマネージャ
2.部材断面  →  RC断面計算

・斜面安定性の検討
1.内的安定性  →  斜面の安定計算
2.外的安定性  →  Excel数式

・補強材、斜め補強材の配置検討
1.吹付け部   →  斜面の安定計算
2.リング部   →  斜面の安定計算

・仮設時リングビーム
必要滑動抵抗力の検討
1.安定計算   →  Excel数式

・必要滑動抵抗力考慮時
斜め補強材長の検討
1.リング部   →  Excel数式

以上、各部材に関してはFORUM8ソフトを使用して照査を行う。

竹割り型土留め工法の設計基本フロー

協同組合土木設計センターとしての意見

フォーラムエイトのソフトを使い始めて30年ほどになります。その間道路橋示方書、各種基準の改定が幾度もありその都度素早い対応で改訂版を出していただきありがとうございます。

使用者目線で長年、建設コンサルタントの協力会社として設計実務に携わってきた全国の土木設計事務所が今までのネットワークをより強固なものとして、『協同組合土木設計センター』として組織した技術者集団の担当者の意見をまとめてみました。

組合内アンケート協力会社:有限会社 シンユ-テクノ、(株)アーンパイオニア設計、日興コンサルタント(株)、(株)和幸設計、(株)栄コンサルタント(まとめ役)全6社

利便性





震度算出 上部工も出るが骨組入力だけでなく部材寸法でも入力できる。
下部工 橋台(箱式、ラーメン含)、橋脚(ラーメン含)と連動させることができる。
Engineer's Studio®データ、フレームデータへ変換ができる。
橋台 付属設計で照査を行っている橋座の設計が計算書作成時に追加出来る。
杭基礎の設計、深礎杭フレームと連動ができる。
背面がEPS、軽量盛土など土圧のかからない橋台の設計も可能。
段差フーチングに対応している。
配筋要領図が作成できる。
3D配筋確認が各断面で行なうことができる。
橋座計算、ウイングなどに対応している。
橋脚 橋脚新設・補強の照査が可能である。
杭基礎の設計、深礎杭フレームと連動ができる。大口径深礎とも連動する。
L2地震時の設計が一括で可能。
3D配筋確認が各断面で行なうことができる。
基礎杭(別プログラム)との連動ができる。
ラーメン橋脚 杭基礎でも連動なしで一括設計が可能。
柱4柱まで照査可能。
基礎工 層厚・支持層等の入力確認が予備計算結果確認の項目で容易に確認できる。
液状化有でL2地震時照査において設計ケースの選択が多い。
杭基礎の設計内容を理解していれば、多少変則的な条件であっても自身で工夫して条件を設定できる。
杭基礎(場所打ち杭、既成杭)、ケーソン、鋼管矢板基礎と幅広く設計可能。
直接基礎、杭基礎、ケーソンなど主な基礎に対応できる。
深礎基礎 橋台基礎 組杭の設計が可能。
杭頭結合照査が可能。


仮設構台 各部材の自動決定機能がある。
作図機能があるため便利。
ライナー
プレート
入力が簡単で扱いやすい。
地層の変化にも対応できる。
仮締切り 背面側と掘削側で異なる地層入力が可能である。
鋼材の諸元を追加することが可能である。
支保工設計時に参考となる数値が自動計算される。
作図機能は、便利です。


擁壁 衝突・風荷重の入力が容易である。
Advanceで杭基礎擁壁のL2保耐照査ができる。
計算条件のスイッチを除く、形状や荷重条件の入力は比較的容易で、設計計算が分からない人でも入力できそう。
逆T式、L型、逆L型、重力式、U型など幅広く設計可能。
本体機能で杭基礎にも対応。
凾渠 踏掛版有の条件でもBOX照査が可能である。
下水道指針等に対応しているので各種指針に応じたL2計算比較をすることができた。
直角方向断面について、柔構造樋門ソフトでは現状2連ボックスまでしか対応していないが、
3連ボックスまで対応可能で内水位を一箇所ごとに設定できるため、既設排水機場の復元計算等で利用可。
3連BOXまで設計可能。
NEXCOの地震時検討、L2地震時検討が可能。
自動配筋機能があり、おおまかに鉄筋断面をプログラムに決めてもらえる。
基礎工 基礎杭単独計算でもL2保耐照査まで一連で計算可能。
斜面安定 二次処理で必要な粘着力等が逆算できる。




UC-BRIDGE かなり汎用性が高く、多種なPC構造の計算ができる。
多種多様なコンクリート橋上部工断面に適用可能である
平面格子解析が可能で荷重分配を考慮した設計ができる
横方向(BOX断面、横桁)の設計も可能
PC、PRC、RC構造に対応
数多くの条件スイッチを有しており、汎用性の高いソフトウエアとなっている
荷重の種類も追加することができる

改善してほしい点





震度算出 解析モデルの画面でフレーム表示のみの為、橋台向きや躯体高等の確認が難しい。
連動しているケースが多いので、各種が最新バージョンになっていないとき不具合が出る。
橋台 荷重ケースを追加した場合の順序入れ替えを上下ボタン等で簡素化に出来る様にして欲しい。
受け台形状の設置高さ入力に天端からを追加して欲しい。
配筋要領図の重なり等を修正できるようにしてほしい。
深礎杭フレームと連動ができるが、連動時のフーチングの設計(片持ち梁照査)の鉛直力が手入力必要。
3D配筋確認が各断面で行なうことができるが操作が分かりにくい。あと、鉄筋の干渉チェックの充実化をお願いしたい。
連動していたアプリケーション(震度算出)が、マイナーバージョンの違いで読み込めなくなる。
パラペット、橋座の突起を考慮したケースの想定ができている
胸壁突起部の設計手法にコンクリート橋編の床版橋の考え方を追加してほしい。
胸壁突起あり縦断勾配ありの時に構造高を突起先端か胸壁先端かを選択できるようにしてほしい。
斜面上の基礎の設計は何時頃対応できるのか?
L2地震時も荷重ケースを追加できるように出来ないのか?
浮力考慮と無視は別々のケースでないと任意荷重が対応できない時がある。
H29示方書対応ソフトの計算出力枚数が多い傾向にあるが(計算ケースが多いので仕方ないが)、
うまくまとめられる出力処理はないものなのか。
橋脚 はり反力位置を中心からではなく梁端部から入力を追加して欲しい。
H24道示Verでは設計可能であるが、H29道示Verで段差フーチングの設計が今のところできない。
H24道示Verでは設計可能であるが、H29道示Verで偏土圧に関する設計が今のところできない。
橋台は可能だが、橋脚は配筋要領図の作成ができない。
3D配筋確認が各断面で行なうことができるが操作が分かりにくい。あと、鉄筋の干渉チェックの充実化をお願いしたい。
荷重ケース、温度差の影響の作用方向の表現がわかりにくい。上向き下向き→上昇下降では?
偏心荷重がある場合の入力方法は、偏心距離か偏心荷重かを選択できるようにしてほしい。
連動していたアプリケーション(震度算出)が、マイナーバージョンの違いで読み込めなくなる。
オプションスイッチが多すぎる。マウスオーバーでその説明がポップアップできないか。
ラーメン橋脚 鉄筋の入力が部材ごと、区間ごととなっている。
入力した部材の参照はできるが、前段で同配筋部を指定できれば、すっきりするのでは。
単柱橋脚同様配筋要領図の作成ができない。
H29道示VerでLv2地震時まで一括で計算を流すと5分程かかる。
入力の画面設計(特に配筋情報ですが)がわかりにくい。
計算結果を画面で表示してほしい。出力枚数が多いので、その画面で出力ケースを選択することができないか。
深礎基礎 杭頭結合照査が可能であるが、水平押抜きせん断照査でNGとなった場合にフーチング下側鉄筋を考慮した設計ができない。
杭頭結合鉄筋の定着長の算定の不具合があり。
誤:lo+D/2 D=杭径
正:lo+d/2 d=杭の有効高
R3斜面上の深礎杭設計施工便覧 P200 図-Ⅲ.4.4より
自動で杭長を決定する機能はできないか。
荷重ケースを番号ではなく、荷重名で表示してほしい。
下部工連携時、下部工計算すると深礎も同時に計算されるが、単体で計算した時と結果が変わる場合がある。
杭基礎と同様に同時に計算しないように出来ないのか?
下部工連携時の荷重データが前載土や任意荷重を考慮しない。また背面土砂に勾配がある場合も考慮しないのはなぜか?
杭長を変更した時に鉄筋長が足りなくても計算を進めてほしい。
下部工連携時の基礎ばねの作用格点は自動で底版中心に作れるようにするか、座標変換値を自動で算出してほしい。
フーチング配筋の入力方法を下部工に合わせてほしい。(単鉄筋、複鉄筋の選択など)
フーチング照査時の結果の窓を自在に広がるようにしてほしい。計算ケースが増えたことで一度に見える範囲を大きくした。


仮締切り 支保工スパン長のみ表記されていて算出過程が不明な為、使用している寸法等を図解で表して欲しい。
作業時荷重の入力でクレーン荷重の計算と連動するようにして欲しい
→今は、別途計算して直接入力する方式
荷重条件入力の追加希望します。(クレーン規格選定、吊荷重、方向を選定し荷重が反映されるように)
仮設構台 橋台となる基礎についてコンクリート基礎とする場合の対応を追加してほしい
ライナー
プレート
限定でもいいので作図機能を使用できるようにしていただきたい。


擁壁 任意荷重の原点が壁外端となる為、壁厚を変更した場合入力し直す必要があるため内側を原点とする選択が欲しい。
AdvanceでL2保耐照査時に連動する基礎工プログラムがH14杭基礎であるため、
L2照査時に躯体震度はL2-1、L2-2入力ができるが基礎では1種類しか低減係数が入力不可である。
また杭基礎の計算手法もH14準拠である。この理由は河川構造物の耐震性能照査指針が
R02に改訂されているが計算例がないため、対応不可との回答があった。
U型擁壁としたとき、杭基礎ソフトとの連動ができず、バネ値等も直接指定出来ない。
凾渠 L2照査時に躯体震度はL2-1、L2-2入力ができるが基礎では1種類しか低減係数が入力不可である。
擁壁のソフトのように入力画面で荷重組合せケースごとの荷重状態図が表示されないため、分かりづらくミスの元となる。
自動配筋機能で鉄筋断面をプログラムに決めてもらえるが、ランクダウンできるか等確認は必要である。
斜面安定 補強材入力で傾角や使用鋼材は統一した数値を用いる事が多い為、個々の入力ではなく一括で入力を可能として欲しい。




UC-BRIDGE 数多くの条件スイッチを有しており、選択ミスを招く恐れがある
出力ページ枚数が多く、報告書としてまとめるのが煩雑
斜材付π型ラーメン橋の斜材、鉛直材の設計に対応して欲しい
ポータルラーメン橋のデフォルト入力値を追加して欲しい
その他 年々、ランニングコストが上がっている。割引などあるとよいと考えます。(以前あった多年契約など)
プログラムのアップデートを確認できる無償のプログラムをお願いしたい。
(インストールしないと新機能、修正事項の確認ができない)
クラウドを介して自動的にバージョンを上げるなどできないか。
バージョンアップが頻繁に行われており、各自で即対応ができない。改善してほしい。

(Up&Coming '22 盛夏号掲載)



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