耐候性大型土のうを用いた積層工法の設計計算プログラム
初版リリース:2013.06.21/最新Ver.リリース:2019.12.23
「耐候性大型土のう」は従来の土のうよりも強さ特性および耐候性などに優れる素材で製造された袋材で、本土のうを用いた積層工法は、施工性に優れるために短期間に施工・撤去等を必要とする道路、河川等への仮設構造物や災害復旧工事等に採用されます。
『「耐候性大型土のう積層工法」 設計・施工マニュアル(一般財団法人土木研究センター 令和5年5月)』(以下、マニュアルと記す)に準拠し、耐候性大型土のうを用いた積層工法の設計計算を行うプログラムです。
適用 基準 |
「耐候性大型土のう積層工法 設計・施工マニュアル」 (一般財団法人土木研究センター 令和5年5月) |
構造 形式 |
・土留め・護岸型(5列-20段までの積み上げに対応) ・締切工型(最下段個数20個-20段までの積み上げに対応) |
照査 内容 |
・内的安定(袋体の耐力照査) ・外的安定(滑動、転倒、支持力) ・全体安定(円弧すべり) ・危険水位の算出 ・安全勾配の算出 |
その他 | ・マニュアルに記載されている標準断面図集の各断面図条件のセット機能 |
▲機能および特長
構造形式
土留め・護岸型
斜面や盛土に対し、もたれ擁壁のように積み上げ、崩壊や浸食を防ぐことを目的として行う積層工法を「土留め・護岸型」とする。仮設土留め工や仮護岸工があてはまり、5列までの設置に対応しております。
▲3列と5列
締切工型
河川や水中に構造物を作る際に、袋体と袋体の間に遮水シートを挟み込みつつ山のように積み上げ、遮水を目的として行う積層工法を「締切工型」とする。仮締切工があてはまる。
照査内容
▲安全勾配の算出
主な積層工法
1.仮設土留め工
2.仮締切工
基礎部の余裕袋体の設置
構造体の最下段に1袋分の袋体(余裕袋体)を配置することが可能です。この袋体は主に基礎地盤に作用する地盤反力を低減させる目的で配置しますが、マニュアルの記載に従い安定検討には考慮しませんので、主に描画の対応となります。ただし、円弧すべりの検討ではこの袋体を考慮しないと危険側の計算になることも考えられるため、余裕袋体を円弧すべりのモデルに考慮するか否かを選択できます。
▲基礎部の余裕袋体の設置
滑動照査における「河床と袋体との摩擦係数」の考慮
耐候性大型土のうは仮設土留め構造物や仮護岸工、または仮締切工などに利用されます。滑動に対する安定性の検討に用いる摩擦係数として「仮締切工及び仮護岸工」の場合に「河床と袋体との摩擦係数」の考慮が可能です。
適用 |
対象部位 |
設計に用いる摩擦係数 |
|
仮設土留め構造物 |
袋体と袋体との摩擦係数 |
0.5 |
|
土と袋体との 摩擦係数 |
礫質土 |
0.6 |
|
砂質土 |
0.5 |
||
粘性土 |
0.4 |
||
仮締切工及び仮護岸工 |
河床と袋体との摩擦係数 |
0.4 |
▲滑動に対する安定性検討に用いる摩擦係数
標準断面図データのセット機能
マニュアルに記載されている標準断面図集の各断面モデルをセットすることができます。
背面水位の考慮に対応
特に仮護岸工の場合、背面側に水位がある場合がありますが、背面水位を考慮した計算に対応しております。
背面水位は試行くさび法による土圧計算や静水圧の計算はもちろん、全体安定(円弧すべり)の計算にも考慮されます。
様々な断面形状を持つ鉄筋コンクリート断面の応力度計算、必要鉄筋量、最小鉄筋量、抵抗モーメント、終局モーメント、初降伏モーメントの計算と、限界状態設計法による断面照査を行うプログラムです。
適用断面は、定形パターンとして9種類、任意形パターンとしてブロック(一軸曲げ)、任意二軸、小判二軸、矩形二軸の4種類に対応しています。最小鉄筋量は定形パターンおよびブロック(一軸曲げ)の断面に限り、「建設省標準設計」または「道路橋示方書」に基づき計算します。
特長
断面形 パターン |
応力度 | 必要鉄筋量 | 抵抗 モーメント |
同N-M図 | 終局 モーメント |
同N-M図 | 最小鉄筋量 | 降伏 モーメント |
矩形* | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
円形* | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
小判横* | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
小判縦* | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
I 桁 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
T 桁 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
ダブルT | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
箱桁* | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
円孔ホロー* | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
ブロック* | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
任意二軸* | ◎ | - | - | - | - | - | - | - |
小判二軸* | ◎ | - | - | - | - | - | - | - |
矩形二軸 | ◎ | - | - | - | ◎ | - | - | - |
*:中空断面可 ◎:計算可 -:計算不可
限界状態設計法の照査は、矩形(ハンチなし・中空部なし)、円形・円環、I形、T形、箱形(1室、ハンチなし)に限定されます。また、鉄筋以外の材料及び、ねじりに対する疲労限界状態の照査は行なっていません。
また、矩形ではハンチの設置の仕方により下図のような断面を取り扱えます。
鋼材有効応力度σpe | PC鋼材と鉄筋が混在するPRC断面の照査に使用します。 |
有効高さd | せん断計算用の有効高さ入力。(0.0の場合、内部計算) |
τaの準拠基準 | 道示III、道示IV、土工指針から選択できます。 |
Asminの準拠基準 | 道示III、道示IV、建設省標準設計、bd(有効断面積)、Ac(コンクリート断面積)から選択します。 |
σc~εc曲線の種類 | 終局、降伏モーメント計算時のσc~εc曲線を道示III、道示V(タイプ1、2)、コンクリート充填橋脚、設計要領H9(タイプ1、2)、設計要領H18(タイプ1、2)、標準示方書(2007)の10種類の中から選択から選択できます。 |
εcu発生位置 | 終局モーメント計算時に、コンクリートの剥離を考慮します。 |
τmax算出方法 | 初等はり理論(全断面有効、引張無視)かτ=S/(bjd)かを選択できます。 |
円、小判のτm算出式 | τm=S/Acかτm=S/bdかを選択できます。 |
せん断耐力の準拠基準 | 道示IV、道示V(タイプ1、タイプ2)から選択できます。 |
RC断面計算データ活用
登録断面、FRAMEデータの利用が可能。面倒な動的解析データ作成に役立ちます。
SaaS(サース)とは、Software as a Serviceの略で、ソフトウェアをネットワーク(インターネット)経由のサービスとして提供する形態を示し、クラウドコンピューティングサービスの一形態とも言われています。
従来から主流となっているソフトウェア流通形態では、ユーザはソフトウェアベンダからアプリケーションソフトをパッケージ購入ないしダウンロードし、ユーザ側のコンピュータにインストールして利用するのに対し、SaaSではプログラムはソフトウェアベンダの管理するサーバ上に設置し、ユーザはWebブラウザなどを利用してネットワーク上からこのプログラムに入出力アクセスして利用する形態となります。
▲UC-1 for SaaS アプリケーション接続概念図
特長
UC-1 for SaaS RC断面計算は新たにWebサーバアプリケーション化を行った鉄筋コンクリート断面の応力度計算、断面照査システムで、許容応力度法による断面照査、限界状態設計法による断面照査等、ベース製品と同等の機能をサポートしています。
▲従来製品と同等の断面形状、照査結果出力をサポート
対応機能 | UC-1 RC断面計算 |
UC-1 for SaaS RC断面 |
|
---|---|---|---|
旧データ形式(.rcd)読込 | ◎ | ◎ | |
登録断面ファイル読込、編集 | ◎ | ◎ | |
基準値データファイル保存 | ◎ | ◎ | |
断面諸量計算 | ◎ | ◎ | |
許容応力度法 | 曲げ応力度/せん断照査/終局モーメント/終局NM図/抵抗モーメント/抵抗NM図/最少鉄筋量/必要鉄筋量/初降伏モーメント/面内マイナス(終局・NM図・初降伏)/面外(終局・NM図・初降伏) | ◎ | ◎ |
限界状態設計法 | 曲げ・軸方向耐力(終局)/せん断耐力(終局)/ねじり耐力(終局)/曲げひびわれ(終局)/せん断ひびわれ(使用)/ねじりひびわれ(使用)/曲げ疲労(疲労)/せん断疲労(疲労) | ◎ | ◎ |
計算設定一覧・断面寸法一覧入力・断面力一覧入力 | ◎ | ◎ | |
基準値入力 | ◎ | ◎ | |
計算書ファイル出力(テキストファイル/PPFファイル/Wordファイル) | ◎ | ◎ | |
計算書印刷プレビュー機能 | ◎ | ◎ | |
サンプルデータ | ◎ | ◎ | |
ヘルプの利用 | ◎ | ◎ | |
Internet利用による問い合わせサポート | ◎ | ◎ |
▲従来製品との機能比較表
※ 2021年4月からの消費税総額表示義務化に伴い、価格表記を「税抜」から「税込」へ移行いたします。
本体価格
価格は税込表示です
■本体価格
製品名 | 価格 |
---|---|
耐候性大型土のうの設計計算 Ver.3 | ¥190,300(税抜 ¥173,000) |
■フローティングライセンス価格
本体価格の40%を追加いただくことで、誰でも、どこでも、どのPCでも製品の利用が可能となります。
製品名 | 価格 |
---|---|
耐候性大型土のうの設計計算 Ver.3 | ¥76,120(税抜 ¥69,200) |
サブスクリプションサービス 契約価格
■サポート内容
・バージョンアップ無償提供 ・電話問合せテクニカルサポート
・問合せサポート(電子メール、FAX) ・ダウンロードサービス ・保守情報配信サービス
※ライセンス管理コスト削減、製品ご利用形態ニーズ多様化への対応を充実させることを目的として、従来の保守・サポート形態からより便利な、「サブスクリプションサービス」へ順次移行いたします(2016年4月1日~)。
価格は税込表示です
対象製品 | 初年度 | 1年 |
---|---|---|
サブスクリプション(耐候性大型土のうの設計計算 Ver.3) | 無償 | ¥76,120(税抜 ¥69,200) |
サブスクリプション(耐候性大型土のうの設計計算 Ver.3 フローティング) | ¥106,568(税抜 ¥96,880) |
■レンタルライセンス:短期間での利用により、低廉な価格でのライセンス利用が可能
■レンタルフローティングライセンス:ライセンスの認証をWeb経由で受ければ、誰でも、どこでも、どのPCでも製品の利用が可能
■レンタルアクセス:既に購入済みの製品の利用ライセンス数を増やす事が可能です。事前契約により、レンタルライセンス期間(1ヵ月~3ヵ月)の単位で自動的にライセンスが付与されます。利用実績に応じて後日請求いたします。事前申込価格として、レンタルライセンス価格の15%引きとなります。ユーザ情報ページにてお申込みいただけます。
※サービス強化、利便性向上を図る目的で「レンタルライセンス/レンタルフローティングライセンス」を2007年9月3日より提供を開始しました。
※レンタルライセンス/レンタルフローティングライセンス開始後の期間変更は出来ません。期間延長の場合は再申込となります。
レンタルライセンス/レンタルフローティングライセンス
価格は税込表示です
■レンタルライセンス
対象製品 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 |
---|---|---|---|
耐候性大型土のうの設計計算 Ver.3 | ¥85,635 | ¥100,859 | ¥123,695 |
■レンタルフローティングライセンス
対象製品 | 2ヶ月 | 3ヶ月 | 6ヶ月 |
---|---|---|---|
耐候性大型土のうの設計計算 Ver.3 | ¥142,725 | ¥169,367 | ¥209,330 |
製品名 | アカデミー価格 |
---|---|
耐候性大型土のうの設計計算 Ver.3 | ¥152,240(税抜 ¥138,400) |
バージョンアップ開発履歴
■バージョンアップ、リビジョンアップ(無償保守)の主な内容を一覧にしています。
旧版改訂、リバイバル版リリース時などの場合にご参考ください。
耐候性大型土のうの設計計算 Ver.3 | ||
バージョン | リリース日 | 主なバージョンアップ内容 |
3.0.0 | 19/12/23 |
|
動作環境
OS | Windows 10 / 11 |
CPU | OSのシステム要件を満たし、問題なく動作する環境 |
必要メモリ(OSも含む) | OSのシステム要件を満たし、問題なく動作する環境 |
必要ディスク容量 | 約50MB以上(インストール時及び実行時含む) |
ディスプレイ(画面解像度) | 1024×768以上 |
入力データ拡張子 | F4D |
ファイル出力 | F8出力編集ツール対応:TXT、HTM、 PPF、DOC、 DOCX、PDF、 JTD、JTDC 3Dデータファイル:3DS、DXF、DWG |
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ご質問は、バージョンアップセンタ(vc@forum8.co.jp)までお気軽にお問い合わせ下さい。
本製品では「耐候性大型土のう積層工法 設計・施工マニュアル」に準拠した設計計算が可能です。「土留め・護岸型」「締切工型」に対応しています。
▲左:土留め・護岸型、右:締切工型
「内的安定の照査(袋体の耐力照査)」「外的安定の照査(滑動、転倒、支持力)」「構造体を含む全体安定の照査(円弧すべり)」が可能です。またマニュアルに記載されている標準断面図集の各断面図の条件を予め用意されたリストから選択し、入力データとして容易にセット可能な機能などがあります。
適用基準は下記の通りです。
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