初期応力解析・全応力法の動的解析・有効応力法の動的解析(液状化解析)プログラム

地盤の動的有効応力解析(UWLC) Ver.2

初版リリース:2004.04.05/最新Ver.リリース:2011.10.28

¥693,000(税抜¥630,000)

英語版 Ver.2

初版リリース:2006.03.28/最新Ver.リリース:2016.12.16

¥1,386,000(税抜¥1,260,000)

関連製品・サービス: 地盤解析支援サービス Trial Version

プログラム概要

有効応力に基づく弾塑性理論による方法、地震時の過剰間隙水圧の発生、剛性の低下を考慮し、地盤の変形を時刻歴で計算可能です。
解析対象は、土構造物(堤防・盛土)の地震時安定性の検討、地中構造物の浮上りの検討、地盤と構造物の動的相互作用の検討等に適用可能です。
液状化パラメータ決定機能プログラムおよび最適化手法による同定解析プログラムを付属。FEMモデルの作成はCAD的な入力方法で、簡単に作成可能です。CADファイルからの読み込みにも対応しています。
弾塑性地盤解析(GeoFEAS) 2Dと入力ファイルの連動、UC-1シリーズの柔構造樋門の設計・3D配筋からの地形データをインポートが可能です。

本製品の解析部は郡馬大学工学部・鵜飼研究室の地盤解析プログラムを利用し、弊社がプリポスト部の開発を行う共同開発体制をとっています。

プログラムの機能と特長

解析の特長

  1. 要素試験シミュレーションを実施して液状化パラメータの設定が可能
  2. 最適化手法による同定解析プログラムを付属し、実験データから入力パラメータの決定が可能
  3. 標準貫入試験結果N値から砂の構成モデル(PZ-sand)の入力パラメータを推定可能
  4. 1次元モデルと2次元モデルの選択が可能
  5. 全応力法の動的解析と有効応力法の動的解析(液状化解析)が可能
  6. 全応力法適用要素(水圧非考慮)と有効応力法適用要素(水圧考慮)の混在が可能
  7. 地盤の透水現象を考慮した土/水連成の動的解析が可能
  8. 地盤の構成則モデルは全8種類を適用でき、それらを自由に混在させることができる
  9. 収束計算の高速化法であるラインサーチ、BFGSを採用
  10. 動的解析の時間ステップを自動調整することにより、解析の安定化を実現
  11. 鉛直方向と水平方向の同時加振対応

適用範囲/検討事例

  1. 全応力法を用いた地盤と構造物の動的相互作用の検討
  2. 土構造物(河川堤防など)の液状化時を含む地震時安定性の検討
  3. 液状化地盤内の構造物の浮上がり検討
  4. 液状化対策工の効果評価(構造物による工法、固結工法、サンドコンパクションパイル工法など)
  5. 過剰間隙水圧消散工法(グラベルドレーン工法など)に対応
  6. 遠心振動実験や大型振動台実験など実験のシミュレーション
  7. 1次元地震応答解析による詳細液状化判定

検討可能な液状化対策工の例


  1. 構造物による工法
  2. 固結工法
  3. サンドコンパクションパイル工法
  4. グラベルドレーン工法

解析機能

解析モデルの作成手順
  1. CAD的な操作で簡単に2次元FEMモデルを作成
  2. CADデータ(SXF)読込みに対応
  3. メッシュ分割(ブロック分割法)
  4. 1次元解析モデルの簡易作成機能
  5. メッシュデータ出力機能
  6. 材料パラメータの表入力

解析理論

1.要素ライブラリ


(1) 平面ひずみ要素

3節点3角形要素、6節点3角形要素、4節点4角形要素、8節点4角形要素の4種類を定義することができます。



(2) 梁要素

1次の梁要素を定義することができます。



(3) 軸方向バネ要素

2つの節点で定義します。なお、バネの長さは10-5m以上必要です。



(4) せん断バネ要素

2つの節点で定義します。なお、バネの長さは10-5m以上必要です。



(5) 節点集中質量要素

1つの節点に対して定義するものとします。


(6) ダンパー要素

2つの節点で定義します。また、軸方向とせん断方向の減衰を指定します。



2.構成モデル


(1) 平面ひずみ要素モデル


  1. 線形弾性モデル
  2. 積層弾性モデル
  3. 弾・完全塑性モデル(MC-DPモデル)
  4. 修正Ramberg-Osgoodモデル(ROモデル)
  5. 修正Herdin-Drnevichモデル(HDモデル)
  6. 鵜飼・若井モデル(UW-Clayモデル)
  7. 砂のPastor-Zienkiewiczモデル(PZ-Sandモデル)
  8. 粘土のPastor-Zienkiewiczモデル(PZ-Clayモデル)

(2) 梁要素モデル

梁要素の復元力特性として、線形弾性モデルまたはバイリニアモデルを適用することができます。


(3) バネ要素モデル

軸方向およびせん断バネ要素の復元力特性として、線形弾性モデルまたはバイリニアモデルを適用することができます。また、本製品の軸方向およびせん断バネ要素では、バネの両端節点に節点集中質量を定義することができます。


3.質量マトリックスと減衰マトリックス


(1) 集中マトリックスとコンシスタントマトリックス

質量マトリックスおよび減衰マトリックスとして、それぞれ集中マトリックスを適用するか、コンシスタントマトリックスを適用するかを選択することができます。


  1. 質量マトリックス・・・集中質量マトリックス or コンシスタント質量マトリックス
  2. 減衰マトリックス・・・集中減衰マトリックス or コンシスタント減衰マトリックス

ただし、粘性減衰としてRayleigh減衰を考慮する場合には、コンシスタント減衰マトリックスを適用しなければなりません。


(2) Rayleigh減衰

エネルギー減衰としては、履歴減衰の他に粘性減衰と逸散減衰があります。
本製品では、系の粘性減衰としてRayleigh減衰を考慮することができます。


4.運動方程式と連立方程式


(1) 運動方程式の離散化と積分法


  1. 陽解法・・・前進差分法
  2. 陰解法・・・Newmark-β法/HHT-α法/WBZ-α法/Generalized-α法

(2) 連立方程式の解法

本プログラムでは、スカイライン法により全体剛性マトリックスを記憶します。
連立方程式の解法として、ガウス消去法の変形であるLDLT分解法を採用しています。

材料パラメータの同定解析

同定解析プログラムは、付属のプログラムとして利用できます。同定解析プログラムで得られた最適なパラメータは、UWLC本体で材料プロパティの設定に読み込むことができます。また、土の構成モデルUW-Clayについては、決定されたパラメータを従来からの要素試験シミュレーションプログラムで読み込み、応力ひずみ曲線等をシミュレーションすることができます。


▲最適化手法による同定解析

N値から砂の構成モデルパラメータを推定

UWLCには液状化の土のモデルとして弾塑性モデル、PZ-Sand(Pastor-Zienkiewicz)モデルが用意されています。従来はパラメータを決定するために内部摩擦角や変形係数を事前に求め、変相線を定義するパラメータの計算が必要でした。変相線とはモールの応力円が変相線以内の応力状態であれば砂は収縮し、変相線以上の応力状態であれば膨潤する砂のダイラタンシーを応力空間で定義する境界を定義する線です。今回の推定機能によってN値からパラメータを推定することが可能となりました。


▲PZ-sandのパラメータ推定

解析結果表示機能

モデル図、変形図、時刻歴図(変位、速度、加速度、応力、ひずみ、過剰間隙水圧、梁断面力)、復元力特性図、応答スペクトル図、フーリエスペクトル図、コンタ図、断面力図、主応力/主ひずみ図 、アニメーション表示対応、数値出力(節点、要素、梁断面力)

UWLC紹介文献

動的変形解析の概要と適用例(各種動的変形解析の方法)として紹介されています。
「高規格堤防盛土設計・施工マニュアル(平成12年3月)」 リバーフロント整備センター

地盤解析シリーズのCIM機能強化

地盤解析シリーズの各種製品は、CIM(Construction Information Modeling)機能をより一層強化し、地形データやUC-1の各種地盤関連製品とのスムーズなデータ連携にも対応しています。
地形データ*.GF1ファイルを使用したデータ連携
弾塑性地盤解析(GeoFEAS)2D Ver.4

柔構造樋門の設計・3D配筋 への変位量連携
「弾塑性地盤解析(GeoFEAS2D)」で解析した地盤変形解析結果(沈下・水平変位分布)を「柔構造樋門の設計」にインポートし、函体縦方向のレベル2耐震照査が可能。

GeoFEAS2D

柔構造樋門


土留め工の設計・3DCAD における周辺地盤影響解析地盤のみをモデル化し、壁体変位を強制変位で与えて地盤変形の計算が行える。
地盤の動的有効応力解析(UWLC)Ver.2

斜面の安定計算 への加速度連携
高さ30m程度以上の高盛土におけるニューマーク法の適用に際しては、すべり土塊の応答加速度波形を入力地震動とする必要がある。「地盤の動的有効応力解析(UWLC)」と「斜面の安定計算」のデータ連携により、UWLCでの2次元FEM地震応答解析から求められるすべり土塊の、応答加速度波形によるニューマーク法解析に対応。高盛土・大規模盛土安定計算レベル2地震動の安定計算が行える。

UWLC

斜面の安定計算

2次元浸透流解析(VGFlow2D)Ver.3

GeoFEAS2D への水位線連携

VGFlow2D

GeoFEAS2D


UWLC への水位線連携
斜面の安定計算 への水位線・ポテンシャル線連携
連携ファイル(*.PRS【水位線】、*.PTN【等ポテンシャル線】)によって、飽和/不飽和浸透流FEM解析結果の反映が可能。 
GeoFEAS VGFlow(浸透流解析限定版)

LEM3D への水位面連携
「GeoFEAS VGFlow(浸透流解析限定版)」の解析結果や、他社製品の解析結果を定型テキストファイルとして「3次元地すべり斜面安定解析(LEM3D)」に取り込むことで、地すべり解析に必要な地下水面を生成し、これを用いた3次元斜面安定解析が可能。

VGFlow3D

LEM3D

適用基準及び参考文献

  1. マトリックスと有限要素法[改定新版] (O.C.ツェンキーヴィッツ,R.L.テイラー著  科学技術出版社)
  2. 地盤技術者のためのFEMシリーズ 1 はじめて学ぶ有限要素法 (社団法人 地盤工学会)
  3. 地盤技術者のためのFEMシリーズ 2 有限要素法がわかる (社団法人 地盤工学会)
  4. 地盤技術者のためのFEMシリーズ 3 弾塑性有限要素法をつかう (社団法人 地盤工学会)
  5. 地盤液状化の科学(岡二三生著  近未来社)
  6. 動的解析と耐震設計[第2巻] 動的解析の方法(社団法人 土木学会)
  7. Chung, J. and G.M. Hulbert, A Time Integration Algorithm for Structural Dynamics with Improved Numerical Dissipation: The Generalized-α Method, ASME, Journal for Applied Mechanics, 60, 371-375, 1993.
  8. Hilber, H.M., T.J.R. Hughes and R.L. Taylor, Improved Numerical Dissipation for Time Integration Algorithms in Structural Dynamics, Earthquake Engineering and Structural Dynamics, 5, 283-292, 1977.
  9. Hughes, T.J.R., Analysis of Transient Algorithms with Particular Reference to Stability Behavior, Computational Methods for Transient Analysis, North-Holland, 67-155, 1983.
  10. Hulbert, G.M. and I. Jang, Automatic Time Step Control Algorithms for Structural Dynamics, Computer Methods in Applied Mechanics and Engineering, 126, 155-178, 1995.
  11. Newmark, N. M., A Method of Computation for Structural Dynamics, ASCE, Journal of the Engineering Mechanics Division, 85, EM3, 67-94, 1959.
  12. Wood, W.L., M. Bossak and O.C. Zienkiewicz, An Alpha Modification of Newmark's Method, International Journal for Numerical Methods in Engineering, 15, 1562-1566, 1981.

※ 2021年4月からの消費税総額表示義務化に伴い、価格表記を「税抜」から「税込」へ移行いたします。

製品価格

本体価格

価格は税込表示です

■本体価格

製品名

価格

地盤の動的有効応力解析(UWLC) Ver.2 ¥693,000(税抜 ¥630,000)
地盤の動的有効応力解析(UWLC) 英語版 Ver.2 ¥1,386,000(税抜 ¥1,260,000)

■フローティングライセンス価格

本体価格の40%を追加いただくことで、誰でも、どこでも、どのPCでも製品の利用が可能となります。

製品名

価格

地盤の動的有効応力解析(UWLC) Ver.2 ¥277,200(税抜 ¥252,000)
地盤の動的有効応力解析(UWLC) 英語版 Ver.2 ¥554,400(税抜 ¥504,000)

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サブスクリプションサービス 契約価格


サブスクリプションサービス 契約価格

■サポート内容
・バージョンアップ無償提供  ・電話問合せテクニカルサポート
・問合せサポート(電子メール、FAX)  ・ダウンロードサービス  ・保守情報配信サービス  

※ライセンス管理コスト削減、製品ご利用形態ニーズ多様化への対応を充実させることを目的として、従来の保守・サポート形態からより便利な、「サブスクリプションサービス」へ順次移行いたします(2016年4月1日~)。

価格は税込表示です

対象製品 初年度 1年
サブスクリプション(地盤の動的有効応力解析(UWLC) Ver.2) 無償 ¥277,200(税抜 ¥252,000)
サブスクリプション(地盤の動的有効応力解析(UWLC) 英語版 Ver.2) ¥554,400(税抜 ¥504,000)
サブスクリプション(地盤の動的有効応力解析(UWLC) Ver.2 フローティング) ¥388,080(税抜 ¥352,800)
サブスクリプション(地盤の動的有効応力解析(UWLC) 英語版 Ver.2 フローティング) ¥776,160(税抜 ¥705,600)

レンタルライセンス/レンタルフローティングライセンス価格


■レンタルライセンス:短期間での利用により、低廉な価格でのライセンス利用が可能

■レンタルフローティングライセンス:ライセンスの認証をWeb経由で受ければ、誰でも、どこでも、どのPCでも製品の利用が可能

■レンタルアクセス:既に購入済みの製品の利用ライセンス数を増やす事が可能です。事前契約により、レンタルライセンス期間(1ヵ月~3ヵ月)の単位で自動的にライセンスが付与されます。利用実績に応じて後日請求いたします。事前申込価格として、レンタルライセンス価格の15%引きとなります。ユーザ情報ページにてお申込みいただけます。

※サービス強化、利便性向上を図る目的で「レンタルライセンス/レンタルフローティングライセンス」を2007年9月3日より提供を開始しました。

※レンタルライセンス/レンタルフローティングライセンス開始後の期間変更は出来ません。期間延長の場合は再申込となります。

レンタルライセンス/レンタルフローティングライセンス

価格は税込表示です

■レンタルライセンス

対象製品 2ヶ月 3ヶ月 6ヶ月
地盤の動的有効応力解析(UWLC) Ver.2 ¥311,850 ¥367,290 ¥450,450
地盤の動的有効応力解析(UWLC) 英語版 Ver.2 ¥623,700 ¥734,580 ¥900,900

■レンタルフローティングライセンス

対象製品 2ヶ月 3ヶ月 6ヶ月
地盤の動的有効応力解析(UWLC) Ver.2 ¥519,750 ¥616,770 ¥762,300
地盤の動的有効応力解析(UWLC) 英語版 Ver.2 ¥1,039,500 ¥1,233,540 ¥1,524,600

アカデミー価格


教育関係者、研究者、学生などの教育目的のご利用に向けて、アカデミーライセンスを提供しています。

アカデミー価格

価格は税込表示です

製品名 アカデミー価格
地盤の動的有効応力解析(UWLC) Ver.2 ¥238,700(税抜 ¥217,000)
地盤の動的有効応力解析(UWLC) 英語版 Ver.2 ¥477,400(税抜 ¥434,000)

バージョンアップ開発履歴


バージョンアップ開発履歴

■バージョンアップ、リビジョンアップ(無償保守)の主な内容を一覧にしています。
旧版改訂、リバイバル版リリース時などの場合にご参考ください。

 地盤の動的有効応力解析(UWLC) Ver.2
バージョン リリース日 主なバージョンアップ内容
2.03.00 14/12/19
  1. プレ部:節点番号,要素番号の表示に対応
  2. 数値出力:節点,要素の複数同時選択機能を追加
  3. コンタ図の凡例色を反転する機能を追加
  4. メッシュの空洞数21個以上時のコンタ図表示に対応
  5. 節点と節点番号、要素と要素番号を分けた表示に対応

動作環境


動作環境

OS Windows 10 / 11
CPU OSのシステム要件を満たし、問題なく動作する環境
必要メモリ(OSも含む) OSのシステム要件を満たし、問題なく動作する環境
必要ディスク容量 約120MB以上。解析時は、モデルの大きさにより約500MB~数GB 程度必要。
ディスプレイ(画面解像度) 1024×768以上
入力データ拡張子 FUD
ファイル出力 なし。解析部出力ファイルはヘルプ参照。
他製品との連動 <読込>
図面(SXF、DXF)
地盤解析連動データ(USD)
地盤解析用地形データ(GF1)
<連携>
斜面の安定計算

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画面サンプル

▲モデル作成

▲プレ部の入力イメージ

▲一次元解析モデル例

▲構造物との連成モデル
(BOXカルバート)

▲堤防の液状化時の検討

▲地盤と
ボックスカルバートの検討

▲過剰間隙水圧比
(2次元液状化解析)

▲復元力特性(τ-σ曲線)

▲充実したアニメーション

▲変形図アニメーション
(堤防モデル)

▲最適化手法による同定解析

▲要素試験シミュレーションプログラム

▲SXF図面データの読み込み機能

1.機能・概要

八戸波の地震波を用いた解析は可能か?

水平加速度のデータであれば、八戸波を含め任意の地震波を用いることができます。
加速度の最大値を調整したい場合は、載荷ステージの設定で地震波のファイルを読み込む画面があるので、そのなかに入力波形の調整をするメニューがあります。
地震波の入手の方法としては、防災科学技術研究所のK-Netを利用するのが一般的です。


基盤入力波形と地表出力波形の比較分析ができるか?

基盤入力波形と地表出力波形の比較分析ができます。データをエクセルファイルの形式などに出力して比較することが可能です。


タワーのむちふり現象による水平力のmax、基礎杭の応力max、また地表面の加速度maxを抽出することは可能か?

タワーの水平力maxを抽出するには、タワーを梁部材でモデル化し、下端部の断面力を時刻歴で見れば最大値を検出できます。基礎杭の場合も同様です。時刻歴図をまず表示し、画面上にカーソルを置いたままマウス右クリックをします。メニューが表示されグラフの編集機能があるので、データをエクセル形式等で出力します。データから最大値を検出し、その時刻の断面力図で確認するのが良いと思います。なお、NMQ(せん断力)が必ずしも同一時刻で最大値の発生するとは限らないので、それぞれに時刻歴図を描いたほうが良いと考えられます。
地表面の加速度についても、上記の断面力と同様の取り扱いをします。任意の節点に着目し、時刻歴図を描画したらデータをエクスポートし、最大値(絶対値)を検出します。


加速度波形をテキストファイルとして出力することは可能か?

時刻歴波形を表示させたのち、グラフ上で右クリックをすると編集メニューが表示され、ダウンロードを選び、テキストファイルを選択してダウンロードできます。


自重解析は可能か?

自重解析の機能を内蔵しています。本プログラムでは、初期応力解析(=自重解析に該当)と、動的解析の2段階の処理を個別、または、連続で処理できます。


液状化の発生の場合、完全に液状化した後の挙動(動的な挙動や残留変形など)は表現可能か?

完全液状化後の挙動を表現することは可能です。また、UWLCでは地盤の透水現象を考慮しておりますので、地震動終了後の過剰間隙水圧の消散(圧密現象)を考慮することが可能です。


慣性力を与えたいが、プッシュオーバー解析のような荷重の与え方(支点に与える強制水平力)はできるか?

お問合せの内容に関係するUWLCの機能について、以下に回答致します。

  1. プッシュオーバー解析(漸増載荷解析法)は、地盤や構造物の非線形性を考慮した解析モデルに対して、地震荷重を静的に漸増載荷して荷重と変位の関係を得る解析方法をいいます。
  2. 初期応力解析(静的解析)では、支点(節点)に静的に水平力を与えることが可能ですが、漸増する荷重を表現することはできません。
  3. 動的解析では、節点集中質量要素を定義し、動的荷重として漸増する加速度を入力すれば、構造物の慣性力を考慮することができます。


液状化発生の有無も考慮して、残留変位の評価が可能か?

可能です。


メッシュ分割で、(自動メッシュ分割ではなく、)規則的なメッシュを生成することができるか?
また、分割数が相違する部分は、自動的に三角形要素を導入し調整する処理が行えるか?

お問合せのような処理は、問題なく行うことができます。


トンネルや樋門・樋菅などの設置に伴う地盤沈下の検討は可能か?

本製品の初期応力解析機能を使って、地盤沈下の検討を行うことができます。この時、土の構成モデルとして弾性モデルと弾・完全塑性モデル(Mohr-Coulomb/Drucker-Prager)を適用することができます。ただし、施工ステップ解析を行う場合、本製品の解析部には問題ありませんが、現在、プリ・ポスト部に未対応の機能がございます。したがいまして、施工ステップ解析を行う場合には、データ作成および結果の整理を全て自動で行うことができませんのでご注意ください。

2.制限事項

要素番号や節点番号に制限はあるか?

要素番号、節点番号に制限はございません。

3.解析理論

2次元解析において、例えば粘性境界の計算式にあるA(土柱の断面積)の奥行きの長さはどのように考えるのか。

UWLCは2次元解析であり平面ひずみ問題を取り扱います。
平面ひずみ問題とは、3次元のモデルに奥行き方向に変形がない条件を仮定して2次元として取り扱うことを意味しており、奥行きの長さは単位長さとなります。SI単位では1mとなります。
したがって粘性境界の土柱について、奥行きは1m、幅は格点間の半分ずつを足した長さとなります。


水位線の入力と、地層線の入力の違いについて教えてほしい。

水位線も地層線の入力と同様に扱われ、上下で別々の地層に分けて地盤データを定義しなければなりません。
動的解析時は、水位線は自由水面とみなされ、過剰間隙水圧が消散する境界面となります。


構造物の断面力と変位は応答変位法によって算出しているのか?

応答変位法により算出した構造物の断面力と変位ではありません。
有限要素法により、各種構造物(壁体、杭体、アンカー材、ボックスなど)を梁要素としてFEMモデル化し、地盤全体と一体にFEM解析(静的解析、動的解析)を行なって得られた梁要素の断面力と変位を示しています。

4.入力

入力波形の間隔Δtに対して、これを1/10に細分割して積分を行い、Δt/10の時間間隔で結果を出力したい。積分時間の時間間隔を任意に設定できるか?

[時間間隔の初期値]に入力波形データに対する時間間隔の1/10の値を入力し、[解析実行]-[出力]タブの[時刻歴の時間間隔]にその値を入力します。
各入力値は仕様の範囲内で任意に設定可能です。

5.モデル化

ジオテキスタイルのモデル化方法について教えてほしい。

UWLCの初期応力解析を用いてモデル化することを前提として、ステージ解析をする必要があるかと考えられます。
地盤とジオテキスタイルを組み合わせる場合に、地盤をソリッド要素、ジオテキスタイルを梁または棒要素とし、所定の地盤の節点間をジオテキスタイルで繋げば、ジオテキスタイルの剛性が加わり、水の移動は途中に地盤要素間で移動することになります。初期応力解析が収束しない場合、別の静的有限要素解析プログラムを用いて、ステージ解析を行い初期応力を求めることもできます。

ステージ1: 平坦な地盤

ステージ2: ジオテキスタイルの設置

ステージ3: 盛土築造

初期応力が求まったのち、strファイルを入れ替えて動的解析に移行します。
なお、ステージ解析には他の静的応力解析プログラムを使用していただくことになりますが、当社の場合はGeoFEAS2Dがこれに相当します。


動的解析を行い,土の時刻歴変形量を調べる場合、どれくらいの幅を考えればよいか。

一般的には、地盤高さの3倍~5倍程度を考えれば良いのではないでしょうか。
理想的には、数パターン試してみて、解析結果に定常性が見られる時点のモデルであれば、OKと考えられます。


液状化地盤上に乗った構造物(擁壁など)を一体で解くことは可能か?

はい、可能です。
例えば、地盤中に杭基礎などを梁要素としてモデル化して入力、あるいは、ケーソン岸壁などをソリッド要素としてモデル化して入力するなど、地盤と構造物を一体で解析することが可能です。


検討対象範囲から側方境界までに必要なモデル長さはどの程度か、目安を教えてほしい。

側方境界条件の影響をなるべく受けないようにするため、長ければ長いほど望ましいことになります。しかし、現実的には、モデルの大きさ、計算時間等の兼ね合いから、どこまでも長くとるわけにはいきません。最低でも、盛土幅程度は横方向に確保してほしいと考えています。
サンプルデータの場合は、盛土幅(法尻幅)50mに対して、両側に50mずつ確保し水平方向に全体で150m、鉛直方向には基盤面までの83mを確保した解析モデルとしています。解析例では、100mとか200m程度確保しているケースも見られます。
解析モデル範囲の決め方について、例えば、堤体の大きさ(あるいは、掘削領域の大きさ)を基準として、水平方向に何倍、鉛直下方に何倍といった明確な基準があれば良いのでしょうけれど、多くの場合は、設計者の判断で決定しているのが現状のようです。何ケースか試行して、影響を受けない程度の解析モデル範囲ということになろうかと思います。


多角形基礎(円形に杭基礎配置)を設置したモデル化は可能か?

本製品は、地盤部分について奥行き1m当たりのモデルを前提とした解析を行なっています。これと同様に、地中構造物については奥行き1m当たりのモデル化を考慮する必要があります。
本件問合せケースでは、モデル化の一案として、奥行き18mのフーチング基礎と考え、同一箇所に重なっている杭について杭本数分の剛性を奥行き18mで除して1m当たりに換算した杭体剛性を考慮する方法が良いのではと考えます。採用につきましては、設計者の判断にて決定をお願いいたします。


橋脚柱断面の回りに緩衝装置(躯体との間にすき間を確保した筒状のもの)を設置して、橋脚柱の揺れが堤防盛土部に直接伝わらないようにしたモデル化が可能か?

盛土部に井戸状の穴をあけた地盤モデル、すなわち、2次元モデルではスリット状の部分を設けた地盤モデルを考え、井戸の底面に梁が貫入しているモデルで代用できるなら可能です。井戸の左右の地盤は同一挙動させるためにMPCで結合して下さい。
地表面より突出した梁要素部分は、任意の骨組が入力できます。
橋脚柱の数メートル幅を考慮すれば(場所打ち杭のように細くないことを考えれば)、盛土部には穴が空いていると考えた方が、より忠実なモデルかもしれません。


ケーソンと地盤との付着切れが表現可能か?(構造物と地盤との間にバイリニアのせん断バネを入れるなど)

せん断バネを入れることは可能です。また、薄い弱層を設けて表現することも考えられます。一般的には、ジョイント要素を定義することが考えられますが、現在のUWLCではジョイント要素を定義することはできません。


半無限に続く地盤を境界面で表現する方法がもしあれば教えてほしい。

底面境界には、通常、粘性境界を設定します。UWLCでは、ダンパー要素を利用して粘性境界を設定します。側方境界には、成層地盤の場合にはMPC境界条件を利用した等変位境界、不規則地盤の場合には粘性境界を設定します。

6.連動

施工Stepを考慮したGEOFEAS2Dの解析結果を,UWLCの初期応力として利用することはできるか?

GeoFEAS2Dの出力ファイル(拡張子 ott)にひずみ・応力が書き込まれます。そのファイルからUWLCの初期応力を保存するファイル(拡張子 str)に書き写せばステージ解析をした応力を基に初期応力が設定できます。なお、ファイル名としては、共通にする必要があります。


 >> サポートページ 地盤の動的有効応力解析(UWLC) Q&A集

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