3D・VRシミュレーションコンテスト オン・クラウドは、2002年のUC-win/Road「ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー」受賞を機にスタート。FORUM8デザインフェスティバルのメインイベントとして、毎年、国内外からUC-win/Roadによる高度なVRデータ作品が集まるコンテストです。2011年からはVR-Cloud®によるクラウド一般投票が選考プロセスに追加され、コンテストを盛り上げています。

受賞結果

一般投票及び審査員の方々による厳正な審査の結果、グランプリ、2つの準グランプリ、アイデア賞、エッセンス賞、3つの審査員特別賞が決定しました。2021年11月17日、品川インターシティホールとオンラインに於いて、表彰式を行いました。

    ▲表彰式の様子
    (2021年11月17日 品川インターシティホールとオンラインにて開催)

  • ▲受賞作品の紹介動画

  • グランプリ(最優秀賞)

    国家災害防救科技センター

    VRによる災害シーン作成及び洪水シミュレーションの解析データ表示

    防災訓練の効果を高めるため、既有の災害情報サイトの洪水演習プラットフォームにVRを導入し洪水シミュレーションを可視化。台湾の荖濃渓や清水渓、寶來渓などの3D地形モデルと本センターで開発した洪水警報システムを基に河川氾濫の被害をシミュレーション。360度動画とVR-CloudによりVRデータを公開。

    見どころ

    アニメーション「Baolai」を実行すると、寶來渓(高雄市・宝来温泉)の浸水シミュレーションを見ることができます。 UAVによる写真から生成した3D地形モデルと浸水解析データを組合せ、水深コンターも可視化されます。浸水範囲、避難所、警察署や消防隊の位置などを確認でき、演習に活用されているイメージを見ることができます。

  • 準グランプリ(優秀賞)

    前田建設工業株式会社

    交通シミュレーション解析による土砂運搬計画
    建設現場における土砂運搬時の最適な配車計画を策定するため、運搬土量と交通量調査に基づいたダンプトラックの運行シミュレーションを実施。実際の走行道路と交通状況をVR上に再現し、積込やタイヤ洗浄なども考慮した運行サイクルを4Dシミュレーションを用いて検証、事前協議や施工計画、安全対策に効果を発揮しました。

    見どころ

    シナリオ「ダンプ運行イメージ」を実行することで、シミュレーションのイメージを見ることができます。4D機能によるグラフ表示や、ダンプトラックの運行の様子がダイジェストで確認できます。シナリオ「ダンプ運行シミュレーション」は実際に検証で使用されたシミュレーション内容で、待機時間や交通状況などダンプの実際の動きが表現されたものです(視点は設定されていません)。

  • 準グランプリ(優秀賞)

    中日本高速道路株式会社

    高速道路梯団除雪訓練シミュレータ
    除雪車両オペレータ育成を目的とした訓練シミュレータを開発した。実車両に近い感覚での訓練を行うため、高速道路の道路環境を再現し、走行位置の正確性や車間距離など必要な診断を行うことができる。複数台で行う梯団除雪訓練として3台のシミュレータが連携するが、他車両を自動制御とすることで最低1人での訓練も可能。

    見どころ

    名神高速道路を表現した広大な雪景色のデータになっていて、コンテキストを選ぶことで天候を切り替えることができます。シナリオ「シミュレーション概要」を実行すると、除雪シミュレータによるシミュレーションのイメージを見ることができます。シナリオ「運転体験シナリオ」では、実際に除雪車両を運転して基地からの出発や本線上の走行を体験することができます。

  • アイデア賞

    台北市政府交通局

    交通安全宣伝用-バス運転シミュレーションシステム
    このシステムは、バスの運転状況をシミュレーションし、バス運転手の視角と車外からの俯瞰的な視角を比較することで、バス(大型車)の運転手と他の車両・通行人との視野の違いを体験者に実体験で理解させます。さらに、大型車の死角や内輪差を認識することで、実地の危険箇所への接近が避けられ、交通事故の減少につながります。

    見どころ

    アニメーション「VRコンテスト説明用シナリオ」を実行すると、このシステムのねらい、運転手の視点や事故の一例の説明がご覧いただけます。アニメーション「バス運転体験シミュレーション」を実行すると、実際にこのシステムでバスの運転体験する際の一連の流れをご覧いただけます(操作は自動で進みます)。

  • エッセンス賞

    アカマツ株式会社

    四国初!ニューノーマルな時代へ
    「アカマツハイブリッド展示会」
    四国初となるリアルとバーチャルのハイブリッド展示会を開催しました。F8VPSを利用したバーチャル会場ではOA機器やサブスクリプション製品を中心に、資料閲覧やプロモーション動画の再生、商品の鑑賞などができます。出展社によるセミナーコーナーや、抽選、アンケートも盛り込み、2日間で延べ1000人以上の方がアクセスするなど、販売促進に役立てられました。

    見どころ

    F8VPSで公開しています。左上のメニューの視点操作で各展示ブースが見れるほか、俯瞰視点に切り替えてロゴを模した会場の形を確認できます。会場内は自由に移動でき、商品の3Dモデルやパネル、カタログなどが展示されています。また、スクリプトを実行することで、エントランスから各展示ブースへの移動とPR動画の閲覧ができます。

  • 審査員特別賞 デザイン賞(関文夫氏)

    阪神高速道路株式会社

    阪神高速1号環状線安全対策周知VR
    分合流が複雑で交通事故が多発していた阪神高速1号環状線に対し、リニューアル工事にて一新する道路案内や分合流形状を現況再現と共にVR化。湊町JCTから中之島JCTまでを対象に、案内標識等の表示改善や分合流がスムーズになる区画線改良、カラー舗装などの変更点や注意情報を、利用者に向け周知する広報資料として活用する。

    見どころ

    アニメーション「全体」を実行すると、リニューアル工事区間を飛行しながら現在の状況と対策案での改良点を確認することができます。アニメーション「合流部-1」では湊町JCT千日前線合流部、アニメーション「合流部-2」では堺線合流部について、それぞれ運転者目線での現況と対策後の比較確認が行えます。最後にアニメーション「分岐部」では中之島JCT分岐について、誤分岐の多かった出入橋出口への車線や案内表示が改良された内容となっています。

  • 審査員特別賞 地域づくり賞(傘木宏夫氏)

    秋田県にかほ市 / 株式会社テクノス秋田

    にかほ市北前船再現VRシミュレーション
    にかほ市への来訪意欲創出を目的に作成。同市は、北前船の文化財が数多く残っており、日本遺産に認定されている。江戸~明治時代頃に航行していた、にかほ市沖の北前船の様子を再現。鳥海山を望む視点でのVR航行体験も可能。今後、F8VPSによる来訪前の体験VR、鳥海山の過去の山体崩壊を体験可能なARを展開予定。

    見どころ

    日本海を進む北前船の様子が再現されています。アニメーション「北前船シミュレーション」を実行すると、鳥海山を背後に航行しているシーンや、船から見える鳥海山の雄大な景色を見ることができます。

  • 審査員特別賞 Traffic simulation賞(原口哲之理氏)

    国土交通省 国土技術政策総合研究所

    インフラDX研究の最先端
    ~バーチャル国総研と4KVRシミュレータ~
    インフラDX推進の一環として南北3kmにおよぶ国総研の敷地全体をVR化しました。多数ある施設の外観や試験走路を再現し、広報に活用しているほか、大型4KVR立体視DSも導入し、部門間での研究のプラットフォームとしての利用を目指しています。VRはF8VPSで公開され、敷地のバーチャルツアーや実験の動画を見ることができます。

    見どころ

    スクリプト「バーチャル国総研と4KVRシミュレータ」を実行していただくと、大型4KVR立体視DSでの運転の様子、敷地を再現したVR空間、VR国総研の概要がご覧いただけます。VR空間では、さまざまな実験施設、高速走行が可能なバンクのある試験走路、広大な敷地を横切る公道の橋が再現されています。

  • ノミネート賞

    株式会社新日本コンサルタント

    新設交通信号機視認性VRシミュレーション
    小学校前の横断歩道橋について、老朽化に伴う対応が求められている。利用者の大半は小学生であり地域住民の横断手段としても利用度が高い為、歩道橋撤去の代替として歩行者用信号機の設置が検討された。本データでは現況と計画案を作成し、隣接する信号機との視認性について運転者目線でのシミュレーションを行っている。

    見どころ

    アニメーション「概要」を実行することで、現在の歩道橋の状況から計画案となる新設交通信号機が表現された内容が確認できます。実測に基づいた児童数、交通流、信号現示などを設定し、歩道橋の地下へは撤去に関連する基礎部分と埋設管まで詳細に表現されています。警察協議での課題となる至近距離で信号が連続する場合の視認性や街路樹位置、車両出入口といった課題までが、一連で確認できるようになっています。

  • ノミネート賞

    中国交通運輸部公路科学研究院

    高地山岳高速道路の交通安全VRシミュレーション
    高山地域の高速道路プロジェクトのVRデータ。30kmの連続する下り坂の中で95%以上が橋梁とトンネル、さらに橋梁の半数はインターチェンジとU型のジャンクションになっている。トンネル内の出入口もあるなど特殊な構造のため、VRで走行環境の安全検証を行った。舗装の色や標識の誘導性、安全施設の改善についても検証している。

    見どころ

    険しい地形の中を通る高速道路と特殊なインターチェンジ、トンネル出入口や分岐部に施された安全対策を見ることができます。概要を見るにはアニメーション「交通安全対策」やシナリオ「虎跳峡出入口」を実行してください。その他のシナリオを実行すると、自動走行によるドライバー目線での確認や、手動運転で道路を走ることができます。

  • ノミネート賞

    ソウル市立大学校

    好みのタイプの自律走行に関する研究用VR
    シミュレーション
    自律走行アルゴリズム開発の参考にするため、自律走行車のドライバーが好む運転パターンを見つけるための研究を行いました。同じルートで運転パターンが異なる4つの自律走行シナリオを作成し、被験者に最も良いシナリオを答えてもらいました。TTC、車間距離、加減速度、車線変更頻度などの変数設定への活用が期待できます。

    見どころ

    自動運転車で高速道路を走る際のイメージがシナリオで表現されています。シナリオ「自動運転パターン比較」を実行すると、おとなしい運転と激しい運転の2種類の比較を体験することができます。おとなしい運転では車間距離を空けてゆったりと走り、激しい運転では車線変更を繰り返してなるべく前に進もうとするという、シナリオの車両制御機能を駆使したシミュレーションとなっています。

  • ノミネート賞

    株式会社ティーネットジャパン

    測量VRトレーニングシミュレーション
    TSなどの機材を使用した測量作業のトレーニングを行うためのVRシミュレーション。シナリオ機能を使用し、据え付けから計測までの一連の流れや機材の操作手順などを習得できるコンテンツを制作した。VR-Cloudによりインターネットを通じてトレーニングを行うことで、コロナ禍における社員教育に役立っている。

    見どころ

    測量機材のトレーニングの流れを見ることができます。シナリオ「測量イメージ」を実行すると、VRで行っているトレーニングの概要が確認できます。シナリオ「水準測量」「トラバース測量」では、実際に行っているトレーニングを体験することができます。また、コンテキストで機材名称を選ぶことで、機材の外観を見ることができます。

  • ノミネート賞

    ソーラーカナモリ株式会社

    乳川小水力発電所計画
    本VRは北アルプスの麓、国営あづみの公園の上流部における小水力発電計画での漁協への説明会用として作成した。森や岩、川の流れなど自然物の表現に苦心した。DNA調査や文献調査を組み合わせた可視化を試み動画で説明した。

    見どころ

    アニメーション「乳川小水力発電計画」を実行すると、乳川上流の小水力発電所計画の概要を確認することができます。 地域の特徴、取水堰堤の開発計画、あえて魚道を設定しない案、工事中の環境対策についての説明を見ることができます。 渓谷の現況と魚道がない案、ある案、合流地点の発電所のイメージを確認することができます。

概要

開催スケジュール
作品応募締め切り

2021年10月15日(金)

ノミネート作品審査会

2021年10月26日(火)
フォーラムエイト東京本社

一般投票期間

2021年11月05日(金)~14日(日)
クラウドによる投票

受賞作品本審査会

2021年11月16日(火)
フォーラムエイト東京本社

クラウド一般投票による順位点および特別賞順位点により審査員が選考 (審査員70%、一般投票30%の重み付けにより評価)。

各賞発表と表彰式

2021年11月17日(水)
品川インターシティホール

FORUM8デザインフェスティバル2021
第20回 3D・VRシミュレーションコンテスト オン・クラウド 各賞発表と表彰式

審査員
  • 審査委員長関 文夫 氏

    日本大学 理工学部
    土木工学科 教授

    日本大学理工学部土木工学科卒業後、大手建設会社で橋梁技術者として従事。その後橋梁、トンネル、土工、河川、道路など幅広い分野でのデザイン等に取り組む。2011年より現職。

  • 傘木 宏夫 氏

    NPO 地域づくり工房 代表

    環境アセスメント学会常務理事、自治体問題研究所理事、長野大非常勤講師 他。H17地球温暖化防止活動環境大臣賞受賞。著書に、『再生可能エネルギーと環境問題 ~ためされる地域の力~』(2021/10)、『環境アセス&VRクラウド』他。

  • 原口 哲之理 氏

    名古屋大学 未来社会創造機構
    客員教授

    京都大学大学院機械工学専攻修了後、トヨタ自動車にて主に実験分野で車両運動性能開発、企画分野で将来車両企画を担当。2011年より名古屋大学特任教授。現在客員教授。

   
募集内容・応募方法
応募基準・提出物条件

①UC-win/Roadで作成されたVRデータであること(5分間のスクリプト必須)

②VRデータの概要(テキスト150字以内)および操作方法説明
※VRデータはCD-ROM、DVD等のメディアに保存

各賞
■グランプリ ■優秀賞 ■特別賞 [アイデア賞/エッセンス賞] ■審査員賞 ■ノミネート賞
※重複しての受賞はありません
作品応募締め切り

2021年10月15日(金)
※本選へのノミネート作品は2021年10月26日(火)に決定

提出物送付先

〒108-6021 東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟21F
(株)フォーラムエイト システム営業グループ
第20回3DVRシミュレーションコンテスト受付係 宛

応募作品の著作権等

受賞作品のVRデータの著作権は、応募者に帰属するものとします。

提出されたデータの配布は行いませんが、フォーラムエイトは、著作者が制作したデータ、作品および成果物について、出力画像・動画等の編集・加工を行い、対外発表、研究発表、営業活動、広報活動として、HP、広報誌、書籍、雑誌、新聞等媒体における掲載・紹介など、二次使用許諾権利を持つものとします。あらかじめご了承ください。

応募に関する
お問い合わせ先

TEL:03-6894-1888 FAX:03-6894-3888
E-mail:forum8@forum8.co.jp

各賞・賞品
  • グランプリ(最優秀賞)

    GALLERIA高性能ゲーミングノートPC、Amazonギフト券(3万円)、トロフィー、賞状

  • 準グランプリ(優秀賞)

    GALLERIAゲーミングノートPC、Amazonギフト券(1万円)、賞状


  • アイデア賞・エッセンス賞

    Shade3D・ゲームプログラミングPC、Amazonギフト券(3,000円)、賞状

  • 審査員特別賞

    Oculus Quest 2、Amazonギフト券(3,000円)、賞状

  • ノミネート賞

    図書カード(3,000円)、表彰盾、賞状

PC特別協賛:㈱サードウェーブ

製品情報

3次元リアルタイム・バーチャルリアリティソフト UC-win/Road は、各種プロジェクトの3次元大規模空間を簡単なPC操作で作成でき、多様なリアルタイムシミュレーションが行える先進のソフトウェアです。柔軟な開発環境、高度なシステム開発に適用できます。

製品情報

UC-win/Roadの基本機能

クラウドサーバ上で3D・VRを利用する合意形成ソリューション。インターネット環境さえあれば、シンクライアントでもWebブラウザでVR空間を操作できます。

製品情報

VR-Cloud® Ver.6 Collaboration

クライアント間での高度なコミュニケーションとVR活用が可能な、フル機能のVRクラウドシステム。共有コンテンツ管理機能実装。3D掲示板、景観評価、複数ユーザーでのコンファレンス対応。注釈・写真機能も搭載。

  • ▲コンテンツビューワ

  • ▲3Dアイコンの表示

  • ▲注釈機能

  • ▲景観評価機能

活用事例「水木しげるロード×VR-Cloud® Ver6.1」

提供:大阪大学 大学院工学研究科
環境・エネルギー工学 福田

境港市みず木しげるロードのリニューアルでは、設計案の合意形成とPRのためにVRを作成し、関係者や市民に具体像を披露した。VR-Cloud®をデータ共有による遠隔デザインミーティングに活用。

過去の受賞作品

例年、土木・建築、運転・交通シミュレーション、まちづくりなどをはじめとして、多様な分野における活用手法が発表されています。近年では、自動運転研究、防災、教育、医療といった最新の注目事例も増えています。

  • 第19回 グランプリ(最優秀賞)

    ショーボンド建設株式会社

    橋梁補修時の施工VRシミュレーション
    施⼯性を上げるためには、現場状況を正確に把握し、計画に反映させることが⼤切です。今回、⼯事を⾏う前に点群データを採取し、さらに設計図⾯から正確に部材をモデル化し、現場状況等を表現。そして、想定している⼯事内容を表現し、施⼯性を検討しました。
  • 第19回 準グランプリ(優秀賞)

    国土交通省九州地方整備局九州技術事務所

    遠隔操縦操作訓練用シミュレータ
    2016年の熊本地震により崩落した阿蘇大橋付近を3DVRで再現しています。実際の遠隔操作用のコントローラを接続して、災害時における初期初動対応を目的とした分解組立型バックホウの遠隔操作訓練用シミュレータを構築しています。
  • 第19回 アイデア賞

    株式会社デンソー

    運転時反応試験用VRデータ
  • 第19回 エッセンス賞

    Seoul Metropolitan Government Infrastructure Headquarters

    VRによる「西部幹線道路を都市道路へ変更」
    するための道路設計
過去受賞作品PickUp
過去コンテスト作品紹介
 
過去コンテスト表彰式の様子(第19回3D・VRシミュレーションコンテスト オン・クラウド/2020年11月)