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学園創立から55年、新年度も拡充続くBit 浦山学園は1965年、その前身となる各種学校中央予備校の設置が認可され、翌1966年4月に開校。同年12月に「準学校法人浦山学園」として認可されています。その後、1968年には同学園初の専門学校(各種学校中央経済専門学校、後に富山経済専門学校、さらに富山情報ビジネス専門学校へと改称)が開校。また、1996年には同学園が準学校法人から学校法人として認可され、翌1997年に富山福祉短期大学が開学します。 学園創立から55年を経る中で、同学園傘下の各校は時代や地域のニーズに対応しながら学科・専攻の拡充や組織再編、改称を重ね、学園は今日、Bit、富山福祉短期大学(いずれも富山県射水市)および金沢中央予備校(石川県金沢市) ― の3校から成ります。 そのうちBitは、1)情報システム学科(プログラミング専攻、ロボット・IoT専攻、クラウド専攻およびゲームクリエイター専攻)、2)Webクリエイター学科(Webクリエイター専攻)、3)ホテル・ブライダル学科(ホテル・ブライダル専攻)、4)建築・デザイン学科(建築士専攻、建築CAD専攻および測量士専攻)、5)医療事務学科(医療事務専攻および医薬品登録販売者専攻)、6)公務員学科(公務員専攻)、7)インターナショナルビジネス学科(インターナショナルビジネス専攻)、8)日本語学科(日本語専攻)― の8学科・14専攻(うち建築・デザイン学科および公務員学科の2学科・4専攻は2022年4月開設)および1研究科(診療情報管理士研究科)により構成されます。 また富山福祉短期大学は、1)社会福祉学科、2)看護学科、3)幼児教育学科、4)国際観光学科 ― の4学科から成ります。
地域と時代のニーズに応える人材育成にウェート Bitは、「質実にして明朗な人格形成」「専門的な学問とその応用を通して社会に貢献する人格形成」という学園の建学の精神を基本に位置づけ、その上で、地域課題解決拠点としての教育・研究機関を目指す「地学一体」のコンセプトを体現すべく、地域と連携。地方自治体や地元経済界とのコラボレーションなど交流を推進するとともに、地域で必要とされる人材育成に繋げるため、専門課程のカリキュラム編成や学科・専攻の再編に当たっては地域のニーズを反映する体制も構築されてきています。 その一端として、前述のように2022年4月からは3専攻から成る「建築・デザイン学科」が開設されます。これは、富山県が全国にも増して18歳人口の減少傾向が顕著なのに加え、建築系のより高度な教育機会の制約から高校卒業生の県外流出を招いてきた実情への問題意識と、当該分野における県内の人材ニーズに対応。高校生にとって、県内で学べる環境を創出し学びの選択肢を増やしたい(能登校長)、との思いもあったといいます。 また、Bitでは時代のニーズに適応する人材育成を重視。それぞれの専攻に応じた専門知識とは別に、社会性や創造性、国際性の豊かな「総合的な人間力」を兼ね備えた職業人の育成を、その教育目標として掲げます。そこで独自の具体策として、1)地元新聞社の協力を得て情報を正しく読み取り表現するための「NIB(新聞活用講座)」、2)ビッグデータを使用しデータ分析の方法を学ぶ「データマーケティング」、3)演劇などを通じて表現力やコミュニケーション技術を学ぶ「表現力」 ― といった全学科共通の一般科目を用意。さらに4つ目の柱として新たに、UC-win/RoadをベースにVRを活用したプレゼンテーション技法を学ぶ「ICT活用」が位置づけられています。 一方、2020年度からは学園全体で「スマートキャンパス構想」を展開。そこではグループウェアを駆使し、ペーパーレスやキャッシュレスによる学校業務の効率化、学生とのコミュニケーションの円滑化はもちろん、そうした先進技術に適応・精通した学生の輩出にも繋げたい、との狙いが込められているといいます。
UC-win/Road導入した一部授業が始動、新年度から全学科へ
授業ではまず、地図・地形データから3D空間を生成し、そこに道路や交差点、信号機などの道路構造を作成するといった作業を通じ、UC-win/Roadの基本的な使い方を説明。その上で、学生らは最寄りの「あいの風とやま鉄道・小杉駅」からキャンパスまで徒歩8分ほどの通学路を3DVRで作成。また、別のゲームエンジンやフォーラムエイトの統合型3DCGソフトウェア「Shade3D」を用い、専攻分野に即してホテルで使われそうな椅子や机などのパーツをCGで作成・編集する仕方を学習します。
また能登校長はVRを使うメリットについて、「リアルでは表現できない、VRでなければ表現できない」もの、例えば自分たちが思い描く世界や街づくり、コンピュータ内部の探検などの例を列挙。今まで見られなかったものをVR空間に作る楽しみから、楽しく勉強できる環境づくりに繋がるのでは、との期待を示します。ただ、そのためには山本先生以外にも同授業を担当する教員の早期育成が不可欠。そこでコロナ禍などで制約が多い中、フォーラムエイトのUC-win/RoadやShade3Dの操作説明会には学園の教員30数名を動員するなど、積極的に取り組んでいます。 今後のVR展開
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執筆:池野隆 (Up&Coming '22 新年号掲載) |
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