New Products & Service 基礎工

基礎の設計・3D配筋
(部分係数法・H29道示対応) Ver.5

杭/鋼管矢板/ケーソン/地中連続壁/直接基礎、液状化に対応した耐震設計、図面作成プログラム

●新規価格 Advanced:470,000円 Standard:371,000円 Lite:240,000円

●リリース2021年1月

3DA対応
計算・CAD統合
 3D配筋対応
 基礎の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)セミナー
日時 : 2021年6月3日(木) 9:30~16:30
会場 : 東京本社・各会場(TV会議)/オンライン
参加費 : \18,000

杭基礎設計便覧改訂内容

令和2年9月に日本道路協会より「杭基礎設計便覧」(以降、R2便覧)が発刊されました。平成29年道路橋示方書(以降、H29道示)発刊後初めての杭基礎設計便覧であり、H29道示では明確にされていなかった設計の考え方等について記載された個所もあります。それを受けて、杭基礎設計便覧への対応を主な改訂内容とした「基礎の設計・3D配筋(部分係数法・H29道示対応)Ver.5」をリリースします。主な項目は以下の通りです。

  • 杭頭接合部の照査拡張
  • PHC杭の杭頭カットオフの影響の考慮
  • 群杭としての軸方向押込み力に対する検討
  • 腐食代の扱い

杭頭接合部の照査拡張

杭とフーチングの接合部の設計に関して、R2便覧においては、[1]仮想鉄筋コンクリート断面による照査、[2]フーチングの水平押抜きせん断照査、[3]フーチングの鉛直押抜きせん断照査を行うこととなっています。具体的な計算方法については[2]のみ記載されていますが、同様の考え方により[3]の照査も可能とします。

また、レベル2地震動を考慮する設計状況においては、基礎の塑性化を期待する設計を行うかどうかで照査内容が変わります。

基礎の塑性化を期待した設計を行わない場合・・・
杭頭に発生する曲げモーメントが仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントを超えない

基礎の塑性化を期待した設計を行う場合・・・
杭頭部の杭体の降伏曲げモーメントが仮想鉄筋コンクリート断面の降伏曲げモーメントを超えない


上記を満たす場合、限界状態1および限界状態3を超えないとみなすことができます。

PHC杭の杭頭カットオフの影響

R2便覧には、PHC杭の杭頭をカットオフする場合、永続/変動作用支配状況およびレベル2地震動を考慮する設計状況において、カットオフの影響を考慮しない場合と考慮する場合で発生曲げモーメントの最大値や深さ方向の分布等が異なることから、どちらも検討する必要があることが記載されています。ただし、杭体に発生する曲げモーメントの分布状態が異なるためには杭体の剛性(EI)の扱いを変える必要がありますが、永続/変動作用支配状況においてその扱いは明記されていません。レベル2地震時については、プレストレスの損失を考慮する範囲(通常50φ,φ=PC鋼材径)については有効プレストレスを考慮せずに杭体のM-φ関係を定義します。

また、旧基準では杭頭部の中詰めコンクリートを考慮して曲げモーメントやせん断力に対する照査を行っていましたが、R2便覧のカットオフの影響を考慮する場合の断面照査では、中詰めコンクリートは考慮しないことが記載されています。


図1 杭頭カットオフ入力画面

       

群杭としての軸方向押込み力に対する検討

H29道示において、群杭としての押込み力に対する検討についての記載はありましたが、その照査方法は明記されていませんでした。R2便覧では杭基礎を仮想ケーソン基礎と考えて支持力の上限値を計算する方法が記載され、永続作用支配状況に対しては変位を抑制するための軸方向押込み力の制限値Rdp’、変動作用支配状況においては限界状態1に対する軸方向押込み力の制限値Rd’が杭頭反力より大きいことを照査します。


図2 仮想ケーソン基礎

腐食しろの扱い

杭の特性値βを算出する際に用いる曲げ剛性EI、杭の軸方向ばね定数Kvを算出する際の断面積Aについては、鋼管杭、鋼管ソイルセメント杭、SC杭の場合は部分係数を設定した際の扱いに合わせて腐食しろを差し引かない断面とし、PHC杭についてはコンクリートの全断面を有効とすることが明記されました。本製品においても、R2便覧の記述に合わせた処理とします。

その他の対応項目

R2便覧には、橋の耐荷性能2が求められる設計状況において基礎の塑性化を期待した設計を行う場合では、地震後に局所的にソイルセメント柱が有効でなくなり支持力機構が変化する場合も想定して、永続作用支配状況及び変動作用支配状況における照査も行うのが良いとの記載があり、ソイルセメント柱が有効でなくなる範囲の目安は杭頭から1/β程度とされています。同様の記載はH27杭基礎設計便覧にもありますが、Ver.5において、プレボーリング工法のときには、選択により杭頭から1/βの周面摩擦力を控除できるよう拡張します。

(Up&Coming '21 新年号掲載)

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