船舶のCADシステムとしてのMaxsurfには、Multiframeと呼ばれる構造解析モジュールが含まれており、梁解析のみならず、板材の有限要素解析を行うことが可能です。特徴としては、舶用構造物の解析を可能にするために、特に荷重条件の設定に、部材と節点に対する通常の荷重に加え、波動揺による加速度、潮流による荷重、浮力(水頭圧)、そしてハイドロスタティッス荷重が設けられています。
波動揺ロードケースでは、加速度および角加速度を部材に適用することができます(図1)。Add CaseメニューからSea Motionを選択すると、ダイアログが表示され、波動揺による加速度を入力します。Multiframeはこの加速度を荷重に変換します。ダイアログでは、自重を含めるかどうかの設定、部材、プレート、ジョイント質量をそれぞれ含めるかどうかの設定が可能です。
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図1 波動揺ロードケースダイアログ |
潮流ロードケースは、潮流のプロファイル(高さ方向の流速分布)を定義し、構造モデルへの流体力解析を行います(図2)。Add CaseメニューからWater
Currentを選ぶと、ダイアログが表示され、潮流の詳細を設定します。潮流プロファイルの設定は、高さと流速の組み合わせで行います。
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図2 潮流ロードケースダイアログ |
浮力ロードケースは構造モデルの浮力の設定を行います。Add CaseからBuoyancyを選ぶとダイアログが表示され、水深や波形状データを入力できます。
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図3 浮力ロードケースダイアログ |
ハイドロスタティックロードケースは、浮力ロードケースと似ていますが、船舶に特化し、船舶のモデルを任意長さの断面として取り出すか、船体全体として見るかの選択が可能となっています(図4)。Add
CaseメニューからHydrostaticを選択すると、設定ダイアログが表示され、水深、波形状、さらに、船体モデルの種類を選択します。
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図4 ハイドロスタティックロードケースダイアログ |
ハイドロスタティック荷重の設定では、2種類のモデルが用意されています(図5)。まず、船体クロスセクションの1フレーム間の解析モデル。クロスセクションはグローバルX-Y座標面に生成します。
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図5 船体のクロスセクション |
2つ目は、3D patch/load panelモデルで、流体圧力は船体全体をモデル化したpatches/panelsに作用します。Multiframeはモデル内のpatchやload panelを自動的に検知し、適切なモデルタイプを選択してくれます。
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