未来を可視化する
長谷川章のアート眼
   社会の未来を語るキーワード「シンギュラリティ」をテーマに、
長谷川章氏のアート眼が捉えるものを連載していきます。
人類が生命を超え、加速する未来を可視化する鍵を探ります。
vol.21
 

長谷川 章(はせがわ あきら)氏
中国中央電視台CCTVのステーションロゴを始めNHKのオリンピックオープニング(1996)、ニュースタイトル、TV-CMなど数千本の制作してきた長谷川章が、日本人の持つ無常の精神から空間・環境のアーティスティックなソリューションであるデジタル掛軸を発明し今日のプロジェクションマッピングの創始者となった。

 Akira Hasegawa

光が奏でる色彩のシンフォニーD-K

DK(デジタル掛軸)は何かの表現ではない。
夕陽のように圧倒的に美しい自然を眺めるのに似ている、その出会いの瞬間、瞬間の連続その移ろいを捉えるものである。
近代社会の人類の体内時計は人口の光の氾濫で狂ってきている、DKはそれを気づかせてくれると同時に、宇宙と自然のリズムをとりかえしてくれる。
プロジェクションマッピングを初めてかれこれ30年になろうとしておりますがいよいよ時代はここに追いついてきた。

DKへのお言葉

伊勢神宮高城治延少宮司

D-Kは普遍的な魂の形式「慎」であり心の鏡です。思考からとき放たれた感覚秩序の世界です。そして「慎」は闇に宿る希望です。

世界的な禅師である王绍璠師(オウ ショウ ハン)

「アーティスト、長谷川章氏のD-Kは、禅文化の精髄を体現するものです」 デジタル掛け軸は、日本文化の精髄を体現するものです。それは、宇宙の真理、大自然の縮図であり、その光の中に身を投じるとき、“己”と“自然”、“己”と“世界”の境は溶解し、私たちは自らの内に無限の宇宙を見るのです。「嗚呼、偉大なる宇宙!即ち其れ、我なり」

茂木健一郎氏(脳科学者)

時間の流れがやっぱり独特で、変化していることに気づかないんだけど、ふと気づくと、ものすごい大きな変化が起きている。
人間の脳にとってはいい刺激なのかな。丁度、人生って毎日毎日変化 しているけど、それに気付かないで、ハッと気づくと分かる。だから今の世の中って意外と情報化とか言って、すごく慌しくて次から次へと情報が移り変わっていくけど、こうゆったりとした変化を感じさせるような情報って意外にないと思います。あ、生命ってこんなものなんだと思います。もともとは、秒刻みで流れていくものではなくて、こんなふうにゆったりと流れて、なんかうねりというか流れというか、そういうものを感じさせる表現ですね。

辰巳満次郎(能楽師)

DK、その精神を自ずと持つから、見るものの心の深きに触るかと。時空も次元も越えるは、人々の魂の為せる業、其を引き出すDKの美しさ、嬉しさ、有り難さ。分からせようとしていないものを見る心地良さ、分かろうと思わずに己を感じる愉しさ。
人のみならず、草木国土悉皆成仏。そのうえ、神をすずしむるなり。

堀内正範(朝日新聞社社友月刊丈風編集人)

世界遺産など先人の営為が「今」に生き続ける現場を「掛け軸」として気付かれずに動き気付くと変わっていく映像を重ね合わせることで「一期一会」の「今」の光が、社寺や古建築など久遠であろうとする存在の本質や、公園や街路などの制作者の美意識・意図を明らかにして、視る者の体内におだやかに取り込んでいきます。これがきっと「長谷川曼荼羅」の芸術性の精髄なのでしょう。

富島三貴(みゆきの里 会長)

移ろいゆく映像に脳がまるで撫でられているかのような心地よさを感じます。静けさと大胆さと。「諸行無常」という言葉が浮かびました。現実の「諸行無常」がこれくらい心地よいものであれば、と・・・

町田宗鳳(宗教哲学者)

抽象具象の区別をはるかに超えたアートと言えるが、私は人間の無意識に潜む「元型イメージの可視化」だと思った。だから、見ていて飽きることがないし、一種の瞑想状態にも入ることになる。日本人特有の「造形力」については、私も早くから指摘してきたが、日本オリジナルの「デジタル造形」が世界中で評価されていることは、嬉しい。

空海が見つけた見附島
と題して、能登珠洲市の見附島を国民文化祭の行事として催事を行った
ドローンショーのコラボや富山県福井県の民謡芸も披露された
https://www.digital-kakejiku.com/?p=1420
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(Up&Coming '23 秋の号掲載)

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