Vol.
27

本連載では、主な機能や関連情報をピックアップして紹介していきます。Shade3Dは、高精度のモデリング、レイアウト、カメラ、光源、レンダリング、アニメーションなど建築パースやインテリアデザイン、プロダクトデザインに必要な機能を搭載し、UC-win/Roadのモデリングツールとして活用が可能です。
https://shade3d.jp/

Shade3D には「背景」ウインドウの「基本色」と「雲」、「霧」、「海」などのパターン生成を組み合わせた背景の作成と、画像を使用した背景作成、「光源」ウインドウの「緯度」、「経度」、「日時」の情報から計算された光源と背景(空)の作成と日時の変更アニメーションなど多数の背景生成を行う機能が搭載されています。また、Ver.25.0より搭載された「アンビエントオクルージョン」を環境光と組み合わせて使用することで、簡易的な大域照明効果を表現でき、また形状の凹凸や設置面部分の陰影強度の調整も行うことができます。

HDRI画像を光源として使用する

高輝度の光の情報から暗部の細かな陰影まで、現実に近いレンジの明るさをもつHDRI画像を光源として使用することで、現実世界に近い明るさを表現することができます。

ShadeExplorerに収録されているHDRI画像などを「背景」に設定し、「光源」を「0.0」、レンダリング手法の「大域照明」を使用することでIBL(イメージベースドライティング)を行え、背景画像とCGモデルの違和感のないレンダリングを行えます。

左:HDRI+大域照明なし 右:HDRI+大域照明パストレーシング

ShadeExplorer収録のHDRI画像

HDRI背景はインストーラーの「コンテンツ・HDRI背景.pkg」(macOS)、「HDRI背景インストール」(Windows)をインストールすることでカタログに表示されるようになります。

使用する画像をダブルクリックまたは「開く」か「挿入」で背景として設定されます。

HDRI画像使用時の光源設定

IBLでは「無限遠光源」の「明るさ」は基本的に「0.0」に設定します。意図的に明暗を強調したい場合は「無限遠光源」の位置と「明るさ」の値を調整して照明を追加します。

左:「無限遠光源」明るさ 0.0 右:「無限遠光源」明るさ 0.5

HDRI画像の光源としての明るさ

「光源としての明るさ」の値を調整することで、CGモデルに照射される光源としての明るさを調整することができます。このとき、背景画像としての明るさは変化しません。(大域照明使用時)

左:1.0(初期値) 右:2.0

HDRI画像の背景画像としての明るさ

背景画像としての明るさは「基本色」と「通常」(ブレンド方式)との組み合わせで表現します。この場合、CGモデルの明るさも同期します。(大域照明使用時)

左:「基本色」黒 / 「通常」 1.0 右:「基本色」黒 / 「通常」0.6

左:「基本色」白 / 「通常」 1.0 右:「基本色」白 / 「通常」0.6

HDRI画像の表示位置

カメラに表示される背景の位置は「方向」で調整します。現在の視点から360度の範囲で調整できます。

左上:0.0度 右上:20.0度 左下:40.0度 右下:60.0度

緯度・経度・日時から光源と背景を作成する

「太陽設定」と 「フィジカルスカイ」機能を使用することで、 特定の場所と月日、 時間を指定した空の背景を作成することができます。開始日時と終了日時を指定することで日付と時間による空の変化をアニメーションとして作成することもできます。

東京での時間指定

8月24日 左: 5:00 右:12:30

釧路での6時から21時までのアニメーション

12月24日 6:00~21:00

アンビエントオクルージョンで簡易大域照明

環境光と組み合わせることで、 簡易的に大域照明と同じような効果を得られます。また、「 距離」のパラメータで陰影を距離に応じて調整することができ、 最終イメージの微調整などにも有用です。

左:環境光のみ 右:環境光+アンビエントオクルージョン


(Up&Coming '25 春の号掲載)

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