Vol.11
本連載では、主な機能や関連情報をピックアップて紹介していきます。Shade3Dは、高精度のモデリング、レイアウト、カメラ、光源、レンダリング、アニメーションなど建築パースやインテリアデザイン、プロダクトデザインに必要な機能を搭載し、UC-win/Roadのモデリングツールとして活用が可能です。
https://shade3d.jp/
3DCGで作成されたデータを3Dプリントするには、形状が現実世界の物体と同じルールで作成されている必要がありますが、多くのデータはその条件を満たすための修正が必要な場合があります。Shade3Dには項目別のチェックツールや、半自動で修正箇所のチェックから修正までを行えるツールの他に、元データから細かい作業無しに3Dプリントに適したデータを作成する機能が搭載されています。
項目別にチェックする診断ツール
選択しているポリゴンメッシュ形状に対しての診断を行います。ここでのエラーは3Dプリントだけでなく不正なレンダリング結果の原因ともなります。
● 重複点
同一座標に複数存在する頂点をチェックします。各頂点を統合して修正します。
● 重複面
重複して存在する面をチェックします。重複面を削除して修正します。
● 三面稜線
2つ以上の面と接続している稜線をチェックします。面の分離などで修正します。
● 内包面
形状の内側に張られている面をチェックします。内包面を削除して修正します。
● 境界稜線
1つの面にしか接続していない稜線をチェックし、厚みを付ける、穴を塞ぐなどの修正をします。
● 非平面
ねじれている面をチェックします。三角ポリゴンに分割するなどして修正します。
半自動でチェックと修正を行う
3Dプリントアシスタント
3Dプリントアシスタントではポリゴンメッシュ以外にも自由曲面、掃引体、回転体、NURBSも含めた複数の形状、シーン全体の形状に対して半自動でのチェックと修正を行いファイルへの書き出しまでを行えます。
メニューから対象形状と修正方法を選択した後は自動修正可能な項目の修正、残りの項目の修正方法を手動で選択、一体化、3Dプリント対応形式のファイルへの出力までを表示されるガイドに沿って行えます。
包み込んで一体化し最適化する
ラッピングメッシュ機能
閉じた線形状、自由曲面、ポリゴンメッシュ、NURBSサーフェスの区別なく、選択している形状をボクセル化した1つのポリゴンメッシュを作成します。
● 様々な形状の種類で作成された形状を選択
● ラッピングメッシュで作成されたポリゴンメッシュ
● 厚みのない形状へ「自動厚み付け」
閉じた線形状で作成された厚みのない形状があるときは「閉じていない形状」を「自動厚み付け」で厚みのある形状にします。
● 精度の調整「曲面の分割」
曲面の分割で、ポリゴンメッシュ変換時の曲面の滑らかさを調整します。
● 精度の調整「ボクセル分割数」
ボクセル分割数で、ラッピングメッシュで作成される形状の細かさを調整します。
● ポリゴン数を削減する「生成頂点をまとめる」
面の法線方向を基準に頂点をまとめることで、曲面の凹凸を維持しながらポリゴン数を削減します。
● 各々の表面材質を維持する「表面材質を反映」
それぞれの形状に設定されている表面材質をマスターサーフェスとして、生成されたポリゴンメッシュの面に対して表面材質設定するフェイスグループ機能でそれぞれの表面材質を反映します。
(Up&Coming '21 春の号掲載)