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Shade3Dで広がる教育とパブリックアートの可能性 |
デジタルと彫刻をつなぐ創作のプロセス
金教授の作品は、まず仮想空間での造形から始まります。Shade3Dを用いた3Dモデリングで形を構想し、3Dプリンタで出力したモデルを試作。その後、ステンレスなど金属素材で鍛造・仕上げを行い、最終的に公共空間に設置される彫刻作品として完成させます。
「3Dソフトで発想した造形を、実際の空間に立ち現れさせるプロセスは、まさにデジタルと物理世界を橋渡しする創作の旅です。鑑賞者にとっても、これまでにない没入感や発見を提供できると感じています」。
代表作である《WAVE》シリーズは、Shade3Dをはじめとするデジタルツールを経由して生まれた作品群であり、アートとテクノロジーの融合を体現しています。
学生主体で進めるキャラクター開発プロジェクト
群山大学では、2024年に「3DキャラクターMCD専攻」が新設されました。本専攻は、デジタル造形やスカルプトを中心に据え、学生が創造的なアイデアを実際の作品へと昇華させることを目指す教育課程です。
 アイデアスケッチ |
 3Dモデリング |
 大規模3Dキャラクター制作プロセス |
その一環として2023年には、学部を象徴するシンボルキャラクターの制作プロジェクトを学生主体で行いました。アイデアスケッチ、3Dモデリング、3Dプリント、さらに大型キャラクターの制作に至るまで、全工程に学生が携わっています。
「制作を通じて、学生たちは“アイデアをどう形にするか”という実務的なプロセスを学びました。完成したキャラクター『자율이(チャユリ)』は学部の公式シンボルとして活用され、学生にとっても誇りとなっています」。
この経験をきっかけに、学生達は自らのオリジナルキャラクターを開発して、展示やコンペなどに挑戦するようになりました。現在では、他学部からもキャラクターデザインを依頼されるなど、教育成果が学内外に広がりを見せています。
 アイデアスケッチ |
 3Dモデリング |
 大規模3Dキャラクター制作プロセス |
Shade3Dの教育現場での役割
金教授は、Shade3Dを授業の初期段階から積極的に導入しています。
「Shade3Dは直感的に操作できるので、初学者でもアイデアを容易に3Dで可視化できます。思考のスピード感を損なわずに造形に集中できるのが大きな魅力です」。
柔軟なサーフェス表現やレンダリング機能は、デザインスケッチやコンセプトモデルの段階で特に効果を発揮。さらに、形態設計の授業ではCADツールと組み合わせることで、学生のプレゼンテーション力を強化しています。
「Shade3Dは、基礎から応用まで段階的に学べる点が優れており、教育現場に適したソフトだと感じています。学生が3Dに苦手意識を持たず、楽しみながら取り組めるのもメリットです」。
今後の展望 ― 教育とアートの架け橋へ
金教授は、Shade3Dの活用をさらに拡大し、学生たちの表現の幅を広げたいと考えています。
「Shade3Dを通じて、学生が自分の発想を自由に形にできる環境を整えていきたいと考えています。将来的には教育の場を超えて、アートや産業の現場でも役立つ人材の育成を目指しています」。
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