20世紀後半、イタリアの片田舎で暮らす青年ラザロ。小作人として、領主が営む農業を無給で手伝い続けている。何も望まず、奢らず。お願い事は断れない性格。ひょんなことから領主の息子と仲良くなり、彼の悪行に付き合わされる羽目になるのだが…。
新約聖書に登場する「ラザロ」というイエス・キリストの友人が主人公のモデルになっており、どこか非現実的なキャラクターになっています。16mmフィルムの撮影により素朴かつ前時代的な映像に仕上がっており、聖書由来の寓話的な物語感と相性抜群です。
何より、こんな素朴な映像の中に衝撃的なシーンなどあるはずがない、と誰もが思い込んでしまう点が素晴らしく、そして恐ろしい…。ラザロは一体何者なのでしょうか。何が目的なのでしょうか…。
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