ストレスと体温調節
私たちの身体は細菌やウイルスに感染すると、免疫防御反応として炎症性サイトカイン(IL-1,IL-6)がマクロファージから放出されます。炎症性サイトカインは脳に情報を伝え、脳の指令によって機能的な体温上昇が起こります、この状態が感染性の発熱です。炎症性サイトカインが脳に情報伝達するときの主な媒介物質はプロスタグランディンE2(PGE2)です。一方、急性の心理的ストレス状態でも体温上昇反応(stress-induced
hyperthermia : SIH)が起こります。体温上昇だけでなく体温低下もおこることがありますが、その反応は一過性で、ストレスから解放されると体温は元に戻ります。またこの反応は感染や炎症に伴う反応と異なり、脳内のノルアドレナリンや自律神経である交感神経活動が関与しています。(図1)
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図1 |
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