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国連の自動車基準調和世界フォーラム(WP29)第181会合は、6月24日(日本時間深夜)にWEB会議の形式で開催され、初めて自動運行装置(レベル3)、サイバーセキュリティ及びソフトウェアアップデートの国際基準が成立した。国連WP29は、自動安全・環境基準の国際調和と認証の相互承認を多国間で審議する唯一の場。日本は、自動運行装置等の基準化に向けて、WP29傘下の専門家会議等において共同議長等の役職を担い、官民オールジャパン体制で議論をリードしてきた。2019年6月には、国連WP29において、自動運転のフレームワークドキュメント(自動運転車の国際的なガイドラインと基準策定スケジュール等)に合意している。自動運行装置の国際基準の主な要件は、▽少なくとも注意深く有能な運転者と同等以上のレベルの事故回避性能▽運転操作引継ぎ警報を発した場合、運転者に引き継がれるまでの間は生業継続。運転者に引き継がれない場合はリスク最小化制御を作動させ車両を停止▽ドライバーモニターリングシステムの搭載及びシステムの作動状態記録装置の搭載▽サイバーセキュリティ対策▽シミュレーション試験、テストコース試験、公道試験及び書面審査を適切に組み合わせた適合性の確認。(2020.07.01/1面) ■国交省/リアルタイム混雑情報提供システム/公共交通への導入・普及に向け検討 国土交通省は、7月7日午後3時から東京・霞が関の合同庁舎3号館10階共用会議室において、第1回「公共交通機関のリアルタイム混雑情報提供システムの導入・普及に向けたあり方検討会」を開催した。同検討会を始動し、乗車前の混雑情報の提供により、混雑緩和・利用分散を促進するための関係ガイドラインを今夏から今秋にかけて策定することになった。いわゆる「三密」(混雑)に対する国民意識が高まっており、公共交通機関の利用については、厚生労働省による「新たな生活様式」において、「混んでいる時間帯は避ける」旨が表示されている。また、一部の公共交通機関では、車両内の混雑情報を提供する取組みを開始している。こうした状況のもと、公共交通機関の利用と新型コロナウイルスの感染拡大防止の両立を図る観点から、混んでいる車両を避けた移動が可能となる環境の整備に向け、過去の運行状況等に基づく混雑予測に加え、車内のリアルタイムな混雑情報の提供により、利用者の行動変容を促し、利用の分散を図る仕組みが効果的であると考えられている。このため、同省では「公共交通機関のリアルタイム混雑情報提供システムの導入・普及に向けた検討会」を設置したもので、公共交通機関の混雑緩和分散により、公共交通あんしん利用と感染拡大予防の両立を図る観点から、スマホアプリ等を活用した、公共交通機関における混雑情報の表示の標準化、データ活用のあり方等について有識者、関係事業者等において検討を行い、導入・普及促進に向けたガイドラインを作成することにした。(2020.07.15/4面) ■国交省/ロボット使用ダム水中点検技術/大林組・パナソニック等4件を選定 国土交通省は7月30日、新技術活用システムにおけるテーマ設定型(技術公募)における『水中点検ロボットを使用したコンクリートダム堤体の水中点検技術』を5月21日から6月19日まで技術公募し、応募技術4テーマを選定したと発表した。テーマ設定型(技術公募)とは、直轄工事等における現場ニーズ・行政ニーズ等に基づき、技術テーマを設定し、民間等から技術の公募を行い、同一条件下の現場実証等を経て、個々の技術の特徴を明確にした資料(技術比較表)を作成し、新技術の活用を促進する取組み。今回の公募は、一般財団法人先端建設技術センター(ACTEC)が実施機関として行ったもので、選定された技術は、大林組の「水中点検ロボット(アクアジャスター搭載型ROV)」(NETIS番号:KIK―150011―VR)、セキドの「小型ROV及び写真測量技術を用いた水中構造物点検(仮)」(同:登録予定)、パナソニックシステムソリューションズジャパンの「画像鮮明化技術を用いたダム維持管理ロボットシステム(仮)」(同・同)、FullDepthの「産業用水中ドローンDiveUnit300(仮)」(同:申請手続き中)の4件。今回選定されたこれら技術は、現場での技術検証段階に移り、その結果については、四国地方整備局新技術活用評価委員会で審議のうえ、NETISホームページの「テーマ設定型の比較表」にて公表する予定である。(2020.08.05/1面) ■国交省/UAV等用いた自動巡回画像取得技術/砂防堰堤の点検要求性能で意見募集 国土交通省では、公共工事等における新技術活用システムの活用方式「テーマ設定型(技術公募)」の実施に向けて、『UAV等を用いた砂防堰堤の自動巡回・画像取得技術』の要求性能(案)に対する意見の募集を始めた。8月24日(月)まで募集する。砂防特有の環境下における安全かつ効率的・効果的な砂防施設点検技術の一つとして、現在UAV(無人航空機:ドローン等)技術の活用が期待されている。その施設点検に適したものを選定するため、性能評価項目及び試験方法を設定した上で、同一条件のもとで、試験を実施し比較表として取りまとめることとし、今年3月に『UAV等を用いた砂防堰堤の自動巡回・画像取得技術』に関する対比較表を公表した。今回の募集は、『UAV等を用いた砂防堰堤の自動巡回・画像取得技術』の要求性能(案)に対する意見を募集し、新技術活用システムの活用方式「テーマ設定型(技術公募)」の実施にあたっての要求性能を設定の参考とするものである。(2020. 08.12/5面) |
■協力・記事提供:株式会社電波タイムス社 HP:http://www.dempa-times.co.jp/ |
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