1章 総括表
耐久性照査 | 性能照査 | W/Cの 上限値 |
|||||||
中性化 | γi yd ylim |
1.00 25.0 55.0 |
|
0.46 Ok |
γp αp αk |
1.10 0.951 1.046 |
|
1.00 Ok |
─── |
塩化物イオンの 侵入に伴う 鋼材腐食 |
γi Cd Clim |
1.00 1.50 1.20 |
|
1.25 NG |
γp Dp Dk |
1.20 0.438 0.526 |
|
1.00 Ok |
─── |
水密性 | γi Qd Qmax |
1.00 1.685×10-3 2.000×10-3 |
|
0.84 Ok |
γp Kp Kk |
1.00 2.922×10-11 2.922×10-11 |
|
1.00 Ok |
─── |
2章 中性化に関する照査
2.1 耐久性の照査(中性化に関する照査)
中性化深さの設計値ydの鋼材腐食発生限界深さylimに対する比に構造物係数γiを乗じた値
が、1.0以下であることを確かめることにより行う。
したがって、中性化に関する耐久性を満足する。
ここに、
γi:構造物係数 1.00(一般)
ylim:鋼材腐食発生限界深さ (mm)。次式で求める。
ylim=c−ck=80.0−25.0=55.0
ここに、
c:かぶりの期待値(設計かぶり)80.0 mm
ck:中性化残り 25.0 mm(塩分環境下)
yd:中性化深さの設計値 (mm)。次式で求める。
yd=γcb・αd√t=1.15×2.176×√100=25.0
ここに、
αd:中性化速度係数の設計値 (mm/√年)
αd=αk・βe・γc=1.046×1.60×1.30=2.176
αk:中性化速度係数の特性値 1.046 mm/√年
(中性化速度係数の照査を満足する最小値とする)
t:中性化に対する耐用年数 100 年
βe:環境作用の程度を表す係数 1.60 (乾燥しやすい環境)
γcb:中性化深さの設計値ydのばらつきを考慮した安全係数 1.15
γc:コンクリートの材料係数 1.30(上面)
2.2 性能照査(中性化速度係数の照査)
したがって、中性化速度係数の照査を満足する。
ここに、
αk:コンクリートの中性化速度係数の特性値で上記照査を満足する最小値 1.046 mm/√年
αp:コンクリートの中性化速度の予測値 (mm/√年)。次式により求める。
αp=a+b・W/B=-3.57+9.00×0.502=0.951
a、b:セメント(結合材)の種類に応じて実績から定まる定数
W/B:有効水結合材比
W:単位体積あたりの水の質量 160.0 kg
B:単位体積あたりの有効結合材の質量 (kg)。次式により求める。
B=Cp+k・Ad=245.00+0.70×105.00=318.50
Cp:単位体積あたりのポルトランドセメントの質量 245.0 kg
Ad:単位体積あたりの混和材の質量 105.0 kg
k:混和材の種類により定まる定数 0.70(高炉スラグ)
γp:αpの精度に関する安全係数 1.10 とする。
3章 塩化物イオンの侵入に伴う鋼材腐食に関する照査
3.1 耐久性の照査(塩化物イオンの侵入に伴う鋼材腐食に関する照査)
塩化物イオンの侵入に伴う鋼材腐食に関する照査は、鋼材位置における塩化物イオン濃度の設計値
Cdの鋼材腐食発生限界濃度Climに対する比に構造物係数γiを乗じた値が、1.0以下であること
を確かめることにより行う。
したがって、塩化物イオンの侵入に伴う鋼材腐食に関する耐久性を満足しない。
ここに、
γi:構造物係数 1.00(一般)
Clim:鋼材腐食発生限界濃度 1.20 kg/m3(一般)
Cd:鋼材位置における塩化物イオン濃度の設計値 (kg/m3)。次式で求める。
ここに、
Co:コンクリート表面における想定塩化物イオン濃度 2.00 kg/m3
c:かぶりの期待値(設計かぶり) 80.0 mm
t:塩化物イオンの侵入に対する耐用年数 100 年
γcl:鋼材位置における塩化物イオン濃度の設計値Cdのばらつきを考慮した安全係数 1.30
(普通コンクリート)
Dd:塩化物イオンに対する設計拡散係数 (cm2/年)。次式で評価する。
Dd=Dk・γc・βcl=0.526×1.30×1.50=1.025
ここに、
γc:コンクリートの材料係数 1.30(上面)
Dk:コンクリートの塩化物イオンに対する拡散係数の特性値 0.526 cm2/年
(塩化物イオンに対する拡散係数の照査を満足する最小値とする)
βcl:初期ひび割れの影響を考慮した係数 1.50 とする
3.2 性能照査(塩化物イオンに対する拡散係数の照査)
したがって、塩化物イオンに対する拡散係数の照査を満足する。
ここに、
Dk:コンクリートの拡散係数の特性値で上記照査を満足する最小値 0.526 cm2/年
Dp:コンクリートの拡散係数の予測値 (cm2/年)。次式により求める。
logDp=a(W/C)2+b(W/C)+c=−3.0×0.4572+5.4×0.457−2.2=-0.358
Dp=0.438 cm2/年
W/C:水セメント(結合材)比 0.457
a,b,c:実績より定まる係数 a= -3.0
b= 5.4
c= -2.2
γp:Dpの精度に関する安全係数 1.20 とする。
4章 水密性に関する照査
4.1 耐久性の照査(水密性に関する照査)
水密性に関する照査は、構造物の照査対象部分において、単位時間当たりの透水量の設計値Qdと
許容透水量Qmaxの比に構造物係数γiを乗じた値が、1.0以下であることを確かめることにより行
う。
したがって、水密性に関する耐久性を満足する。
ここに、
γi:構造物係数 1.00 (一般)とする。
Qmax:単位時間あたりの許容透水量 2.000×10-3 m3/s
Qd:単位時間あたりの透水量の設計値 (m3/s)。次式で求める。
ここに、
Kd:構造物中におけるコンクリートの透水係数の設計値 (m/s)。次式で求める
Kd=Kk・γc=2.922×10-11×1.00=2.922×10-11
Kk:コンクリートの透水係数の特性値 2.922×10-11 m/s
(透水係数の照査を満足する最小値とする)
A:透水経路の断面に相当するコンクリートの全面積 150.0 m2
h:構造物内面と外面の水頭差 10.0 m
L:透水経路長に相当する構造物の照査対象部分の断面厚さの期待値(設計断面厚さ) 0.60 m
Qcjd:照査対象部分のひび割れあるいは継目などからの透水量の設計値 (m3/s)。次式で求める。
ここに、
w:ひび割れ幅の設計値 0.0003 m
b:照査対象部分のひび割れ長 100.000 m
γw:水の単位重量 9790 N/m3
μw:水の粘性係数 1.002×10-3 Ns/m3
a:ひび割れの部材内部での曲がりやひび割れの表面粗さの影響を考慮する係数 25.0
γpn:単位時間当たりの透水量の設計値Qdのばらつきを考慮した安全係数 1.15 とする。
γc:コンクリートの材料係数 1.00 とする。
4.2 性能照査(透水係数の照査)
したがって、透水係数の照査を満足する。
ここに、
Kk:コンクリートの透水係数の特性値で上記照査を満足する最小値 2.922×10-11 m/s
Kp:コンクリートの透水係数の予測値 (m/s)。次式により求める。
logKp=a・W/C+b=4.3×0.457−12.5=-10.534
Kp=2.922×10-11
ここに、
W/C:水セメント(結合材)比 0.457
γp:Kpの精度に関する安全係数 1.00 とする。
5章 使用セメント
使用セメント:高炉セメント
単位体積あたりの水の質量 160.0 kg
単位体積あたりの結合材の質量 350.0 kg
混和材
高炉スラグ:30.0 %
フライアッシュ:含まない。
シリカ質混和材:含まない。