MITスペシャルセミナー
日時:2021年9月9日 会場:オンライン

弊社が提携しているマサチューセッツ工科大学(MIT)より機械工学部/機械海洋工学科教授John Leonard氏をお招きし、自動運転、AI、クラウド研究の最前線をテーマにスペシャルセミナーを開催しました。

氏はまず、完全な自動運転の実現にはVR上でのシミュレーションが不可欠であり、そのVR空間と実空間をうまく繋げるには、人同士のつながりも大切であると述べました。

2007年にはロボットカーによるDARPAグランド・チャレンジにMITチームとして参加し、35チーム中4位の結果を残しました。レーザスキャナーでコースや他車両の把握・予測し車両を制御しましたが、ゆっくりとした動きの車両を「動くもの」として認識できず衝突するといったハプニングも発生。自動運転の実現には、相互作用や悪天候への対応に加えて自動運転レベル2~4まで達成する必要があり、これらをどのようにしてコンピュータにも理解させるかといった課題が示されました。

また、2015年にはトヨタのTRI設立に参加し、ガーディアンとショーファーについて紹介。ガーディアンは自動運転レベル2のシステムで、運転手の危険を察知して運転の補助を行います。運転手が寝てしまったケースと、直前の車が何かを避けるために急に車線を変更したケースの2つの例について、デュアルコックピット車を用いたデモを行いました。

ショーファーは限定的な地域での自動運転を実現するレベル4のシステムで、お台場でのテスト走行を紹介。滑らかな操縦を目標とし、車両、歩行者、交通標識、歩道などの特徴を識別した、セマンティックセグメンテーションの結果をVR画像で示しました。

最後に、VR空間でのシミュレーションの通りに現実ではうまくいかないという危険性があるため、実空間の要素をVR空間に詳細に取り込めているか、VR空間の成功を実空間に持ち込めるかといった課題を述べました。




(Up&Coming '22 新年号掲載)
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