MITスペシャルセミナー
日時:2021年3月11日
2021年9月9日に第2段として”自動運転、AI、クラウド研究の最前線”をテーマにスペシャルセミナーを開催!
 詳細はこちらをご覧ください。

2021年3月11日、フォーラムエイトが提携しているマサチューセッツ工科大学(MIT)よりJR東日本寄付講座の工学部教授およびMIT 土木環境工学部長 Ali Jadbabaie氏をお招きし、土木建設・建築・環境エンジニアリングの最前線をテーマにスペシャルセミナーをオンライン開催しました。

始めにMIT ILP(産業学際会)Japan所長の矢野敬二様よりご挨拶があり、MITと講師のAli Jadbabaie教授についてご紹介いただきました。MITはケンブリッジにある名門校で、最先端技術をリードする世界トップクラスの工科大学。ILPはMITの研究成果を実社会に応用していくプロセスを助ける役割を担いスタートした組織で、MITとメンバー企業の橋渡しを行っており、フォーラムエイトも260社のメンバー企業の一社です。

Ali Jadbabaie氏は、ビジョン・ミッションを住民と自然・環境が協調し、調和を図りながら生きるための科学的な基盤としてのスマートインフラシステムを構築することであると述べました。また、それはナノスケールから、気候や環境まで配慮したグローバルなプラネットスケールに至るまで、スケールを跨いだ持続可能性を担保するようなシステムであると示しました。

研究の柱として、1)データ・システム・コンピューテーション、2)力学・材料科学・新素材・クリーンなインフラシステム、持続可能なツールの開発、3)環境・生態学・微生物の研究の3つがあげられ、3)については、これまでとは違う、近代的なツールを用いて新しい問題を解決できるよう最も力を入れている分野だと述べました。

また、インフラ基礎の理解に加え、ソフトウェアシステムを理解した人材の育成を目指しており、現在取り組んでいる事例として、1)ビッグデータを用い地図を作成し、在宅でも道路情報の収集と道路品質の比較が可能となるAPIシステムの構築、2)バナナをシルクベースでコーティングし、腐食を防ぐといった新しい食料開発による貧困対策、3)ローマ時代から残る自己修復可能な古代素材の研究と、それをもとにした持続可能なコンクリートの開発などをあげました。

食品の大量廃棄問題では、消費者側からのデマンドチェーンの構築が必要ではないかとの質問があがりました。過剰な食糧廃棄はアメリカなどの先進国が目立つが、一方で過度な食糧不足の問題もある。ジャストインタイムという製造アプローチは、今回のパンデミックで不適切であることが明らかになり、データ駆動型の食料生産こそが目指すべき道だと述べました。

MIT(マサチューセッツ工科大学)の紹介

貧困対策のための新しい食料の開発 古代ローマの自己修復可能な素材の研究


(Up&Coming '21 盛夏号掲載)
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セミナーレポート

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