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vol.18
 Academy Users Report
 アカデミーユーザー紹介/第18回
名古屋大学 未来社会創造機構 モビリティ領域 「人間・加齢特性研究室」

「高齢者が元気になるモビリティ社会」へ、加齢の運転に及ぼす影響など研究
世界初の機能を誇る4K・3D CAVEの大型5面立体視DSをフォーラムエイトと共同開発

名古屋大学 未来社会創造機構
モビリティ領域 人間・加齢特性研究室
URL http://hflab-nu.com/
所在地 名古屋市千種区
研究開発内容
高齢者の身体特性や認知機能を含む人間特性データベースの構築、人間特性と運転行動との関係解明

「人間研究というのは非常に奥が深く、様々な最先端のツールを使うことで、今まで分からなかったことが分かってくる、ということがあります」

もともと機械工学を専門としながら、そこでの人間との関わりの部分に興味を持っていたという、名古屋大学未来社会創造機構モビリティ領域(人間・加齢特性研究室主宰)の青木宏文特任教授(名古屋COI拠点副研究リーダー)。長年にわたり建築環境や都市計画をはじめ宇宙、自動車などへと軸足を移しつつも、一貫して人間工学的な観点から様々な研究開発を行ってきています。またその過程では、いち早くバーチャルリアリティ(VR)の可能性にも注目し、独自に工夫を重ねながらツール化するなど、先進の情報通信技術(ICT)の活用に力を入れてきました。

現在、人間と機械の関わりに対し、特に人間の加齢がそこに与える影響などの研究に取り組む同氏は、高精細かつ立体視が可能な大型ドライビング・シミュレータ(DS)を活用。それによって従来手法では到達し得なかったような発見が可能になり、今後は同DSを駆使して次なるフェーズの人間研究に繋げていきたい考えを示します。

青木教授が名古屋大学へ移籍したのは2013年。同時期に、同大で立ち上がったモビリティに関する国のプロジェクト「名古屋大学COI」の活動拠点となるナショナル・イノベーション・コンプレックス(NIC:2015年竣工)の建設に向けた具体化作業が取り組まれ始めました。その際、そこでの研究を推進するに当たり核となる設備として求められたのが、本格的な高精度DSでした。そのため同氏らは2015年、フォーラムエイトの3次元(3D)リアルタイムVR「UC-win/Road」をベースに前例のない各種高機能を実現するDSを共同で開発し、導入しています。



 自身の研究開発の変遷と、そこでのVR活用の流れ

「バックグラウンド(早稲田大学時代の専門)はもともと機械工学」という青木教授は、大学院(東京工業大学)から建築や都市空間などの環境と人間行動との関わりといった人間工学に転換。一方、宇宙への興味から大学時代は機械工学の一環としてロケットにフォーカスしていたのが、大学院では宇宙居住の分野へと移行。当時の宇宙開発事業団(NASDA:現JAXA)と共同研究を重ねました。その後、マサチューセッツ工科大学(MIT)に移ってからはそれまでの知見を活かし、アメリカ航空宇宙局(NASA)との共同研究で宇宙飛行士の訓練への応用などの取り組みを展開しています。

その間、例えば、計画段階の建物が街並みに与える影響を評価するため、同氏は大学院時代の1996年、設計図面から3D・CGを作成。ただ、それだけではゴーストタウンの中にいるような感じになるということで1998年、ジオラマの中に内視鏡を入れて表示される画像とCGで作成した人やクルマの動きとをリアルタイムに合成して自身初のVRを作成。ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を介して体験できる仕組みを開発しました。

未来社会創造機構 モビリティ領域
人間・加齢特性研究室
米川 隆 特任教授
未来社会創造機構
テクニカルサポート室
高井 章治 特任主席技師
モビリティ領域
人間・加齢特性研究室
稲上 誠 研究員
未来社会創造機構 モビリティ領域
人間・加齢特性研究室 青木 宏文 特任教授
(名古屋COI拠点 副研究リーダー)
また、宇宙ステーション(無重力環境)内における空間形状と方向感覚(空間識)の関係を探る研究(1999〜2000年度)では、VRを利用して視覚シミュレーション。ビジュアル的に逆さになるなど無重力らしさの表現が可能なVRの機能を活用し、宇宙ステーション設計に関する研究も行われています。

さらにMITでは、宇宙飛行士の空間認知能力に関する訓練へのVRシミュレーションの適用についてNASAと共同研究(2004〜2007年度)。被験者の方向感覚を事前にチェックし、それに応じた対策を講じるなどすることでVRの訓練効果が認められています。
それまで人に関わる研究に長く携わる中で「実際の製品に繋がるような活動をしたい」との思いを抱いていた同氏は2007年、トヨタ自動車に入社します。

自身の思いと、自身の有する専門性がまさに同社で求められていたタイミングとが合致。加えて、同社東富士研究所に世界最大のDSが米川隆氏(現名古屋大学未来社会創造機構モビリティ領域交通・社会分野特任教授)を中心に導入されたところで、それを使えることも大きなモチベーションになったといいます。

以来、青木氏は同DSを使って様々な基礎研究に取り組み、それらが製品化されるプロセスも経験。例えば、プリクラッシュセーフティシステム(PCS)の開発に関連し、追突事故防止に向けてドライバーにより異なるブレーキタイミングを個々の視覚特性に基づき定式化し、接近感指標「PRE」として提案。それを実際の制御に入れた場合の効果をDSと実車を用いて測定・評価。その成果は2012年から同社のPCSに採用されています。



 名古屋大学COIを拠点に加齢特性の研究へ

研究成果の製品化という区切りを機に再びアカデミックな世界に戻ることを考えていた矢先、名大が文部科学省「地域資源等を活用した産学連携による国際科学イノベーション拠点整備事業(2012年度):愛知県、豊田市、トヨタ自動車との共同申請」の採択を受け、「名古屋大学COI」の立ち上げを決定。青木教授は2013年4月、同大に移籍し、立ち上げから参加しました。

名古屋大学COIは「人がつながる“移動”イノベーション拠点」との理念の下、「高齢者が元気になるモビリティ社会」の構築をビジョンに掲げます。同COIプロジェクトの研究体制は
  • 1)モビリティ研究
    2)情報基盤研究
    3)くらし・健康基盤研究
    4)サステナブル基盤研究
    5)強調領域研究
の5領域により構成。そのうち、モビリティ研究は
  • 1)知能化モビリティ研究
  • 2)人間・加齢特性研究
  • 3)交通・情報システム研究
の3領域から成り、人間・加齢特性研究は支援手法開発グループと同氏がグループリーダーを務める「人間・加齢特性グループ」の2グループが位置づけられています。

名古屋大学COIのスタートに合わせてNICを開設することとなり、その建設に向けた具体化プロセスで「モビリティの研究拠点としてはDSも必要」「世界初のDSでいろいろな研究が出来るスペックのモノを作ろう」といった枠組みを構想。同大モビリティ領域の原口哲之理副領域長や米川教授、青木教授を中心に詳細を検討し、まず1)先行車との接近感などの表現力に優れた立体視、2)遠くから徐々に近づいてくるクルマなどを小さな段階から形を正しく表現できる高解像度(4K)― という2つの必須要件が設定されました。

「人間・加齢特性研究室」は、健康寿命や運転寿命を延ばすことにより高齢者も活動的に暮らせる社会の実現を目指し、そこで必要となる運転支援技術の開発に資するべく、高齢者の身体特性や認知機能を含む人間特性データベースの構築に取り組んでいます。その活動には15名のメンバーを中心に、学内外から共同研究に参画するメンバーを含め、約50名が携わっています。

同研究室では現在、加齢とともに変化する高齢者の認知機能、視覚機能、運動機能に関する基礎データの収集にウェートが置かれています。これは、高齢者が関係する事故と高齢者特性との因果関係を調べる基盤となるもの。具体的には、DSをはじめ、各種機能を測定、検査するための多様な機器を活用し、高齢者300名の協力を得て毎年同じ人々を対象に継続的にデータを取得。そのうち100名には自家用車にドライブレコーダを搭載してもらい、日々の運転も記録。各機能と運転特性との紐づけが出来るよう意図されています。

青木教授が力を入れているもう一つの活動が、「人間機械協奏技術コンソーシアム(HMHS)」です。「産学共創プラットフォーム共同研究推進プログラム(OPERA)」(科学技術振興機構)に採択され、名大をはじめとする公的な4研究機関が参加。人間と知能機械が協奏サービスするプラットフォーム「Harmoware」を研究し、その上で動作するアプリケーションの開発を進めようというもの。同氏らはその中で、名大発で開発した自動運転OSをHarmowareとして拡張し、運転時のデータやドライバーのデータをリアルタイムに取得し、クラウドに上げて処理するなどして連携。運転の場面だけでなく、仕事や生活の幅広い場面でそのメリットの共有を図りたいとしています。

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未来社会創造機構 モビリティ領域
人間・加齢特性研究室の研究内容



 大型5面立体視DSの開発と活用、今後

「世界初の4K 3D大型DSを作るといった時、ベストソリューションを提示されたのがフォーラムエイトでした」と、青木教授は振り返ります。

「ただ、世界初のものであり、フォーラムエイトと一緒になって作り上げてきた部分はあります。今も一緒に進化させている状況で、その意味では頼もしいパートナーだと思います」

2013年に名古屋大学COIプロジェクトおよびNIC開設に向けた準備が進む中で、新DSに求められる機能要件を設定。これを受けて複数社のDSが比較検討され、当社のUC-win/Roadをベースに開発することが決定。2015年4月にNICが竣工した後、6月に高度な接近感や没入感を実現する世界初の大型5面立体視の「車両性能実証装置 高精度DS」(4K、3D CAVE、6DOF)が納入されています。

同DSが置かれているのはNICの1階、車両台上特性評価室のドライビング・シミュレータ室。本格的なVR空間内での運転・車両走行シミュレーションを実現するため、中央に設置されたDSを大型スクリーンが壁のように囲み、床にもスクリーンを配置。リアプロジェクションにより各スクリーンへ映像を表示するため、全部で20台のPCが使われています。

同DSでは、例えば、緑内障による視野欠損の症状をリアルに再現。車線維持や先行車への追随などの運転操作への影響を見ることが出来ます。また、近年問題となっているアクセル・ブレーキの踏み間違えが起きる状況や起きた後の運転行動などもDSを使ったテストが行われています。

今後はさらに、加齢黄斑変性や白内障といった他の視覚障害、あるいは急な歩行者などの飛び出し、信号の見落としなどイベントへの対応も拡充していく予定といいます。

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未来社会創造機構 モビリティ領域 人間・加齢特性研究室の皆さん


大型4K5面立体視ドライブシミュレータ  車両性能実証研究・開発用DSとして2015年にフォーラムエイトが名古屋大学へ納入

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執筆:池野隆
(Up&Coming '18 秋の号掲載)



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