前号（107号）の新製品紹介でご案内しました通り、FEM Engineer's SuiteのSenior Suiteをご購入いただくと、図1のようなファイルを介してモデルを共有したり解析結果を連動することができます。

本トピックスでは、このうち「2次元浸透流解析(VGFlow 2D)」より得られた地盤解析用地形データ(*.GF1)と解析結果データ(*.phd)から解析モデルと節点水圧を連携し、「弾塑性地盤解析(GeoFEAS 2D)」にてせん断強度低減法による斜面安定解析を実施する例をご紹介いたします。

▲図1　FEM地盤解析連携図

「2次元浸透流解析(VGFlow)」にてモデルを作成し、地盤解析用地形データ(*.GF1)をプレ部の[ファイル]メニューより保存します（図2)。解析用データを設定し、非定常解析を実行すると解析結果データ(*.phd)が指定したフォルダに作成されます（図3）。

▲図2　VGFlow 2Dのプレ部	▲図3　VGFlow 2Dのポスト部

「弾塑性地盤解析(GeoFEAS 2D)」の[ファイル]メニューから保存した地盤解析用地形データファイルを読み込みます（図4）。インポートした地形に対してメッシュ分割を行い、ステージ設定にて初期応力解析のステージを作成します。

初期応力解析のステージ設定にて要素定義や解析条件の設定を行い、[水圧の設定]タブにて浸透流解析の結果をインポートします。

▲図4　GeoFEAS 2Dのプレ部

[浸透流解析データ（節点水圧）]ボタンより表示された[浸透流解析データ（節点水圧）のインポート]画面（図5）より、インポートする解析結果データ(*.phd)のファイル名とインポートする時刻を指定します。インポートする時刻を変えたデータを複数用意して解析を行い、その結果の比較を行います。

▲図5　浸透流解析結果（節点水圧）インポート画面（GeoFEAS 2D）

図6はあるモデルについて豪雨2.5日（60hr）経過後と25日（600hr）経過後の結果を比較したものです。日数の経過に伴って全体安全率が小さくなっていることがわかります。

▲図6　経過日数による解析結果の比較（GeoFEAS 2D）