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新春トップインタビュー  伊藤裕二フォーラムエイト社長に聞く
「3DVRを中核に社会貢献/国土強靭化にもソリューション提供」
出典: 電波タイムズ 2015年1月1日号

フォーラムエイト(東京都港区)は、創業以来ソフトウェアパッケージ開発技術を基盤として、構造物設計をはじめ土木・建築設計を支援するソフトウェア・技術サービスを提供してきた。近年ではバーチャルリアリティの開発で、さらに広くプロジェクト全体や交通・自動車研究などの分野でも活用されている。地震、津波、洪水などの災害や橋梁、トンネル事故など安全安心に関わる技術は、社会的なニーズがますます高まっている。

同社は、ソフトウェア開発とそのサービス技術で、多くのエンジニアを支援するとともに、社会に安全安心をもたらす技術開発をソフトウェアを通じて行うことを使命と考え行動している。新春にあたって、伊藤裕二代表取締役社長に昨年を振り返ってもらい、今年の抱負を聞いた。
(電波タイムズ 田畑広実) 
 ――昨年(2014年)を振り返って業績はいかがでしたか
 「9月第28期の決算(平成25年10月1日から26年9月30日まで)での売上高は、過去最高を更新する前期比53・4%増の37億1161万円でした。経常利益は同43・6%増の5億7547万円、当期純利益(税引き後)は4億1327万円と、売上高に加え、経常利益と純利益が過去最高を記録しました。昨年は、パッケージソフトや技術サービスも伸長し、バーチャルリアリティ(VR)関係の売り上げも大きく伸びました。特に大型シミュレータの受注が旺盛で、システム開発については3倍以上の売り上げでした。このほか、消費税増税前の駆け込み需要も奏功しました」

 ――注目を集めた製品・ソリューションをお聞かせください
 「ひとつは『IM&VR BIM/CIMによる建築土木設計ソリューション』です。フォーラムエイトでは、測量から設計、施工、維持管理まで、建築土木構造物のライフサイクルに必要なあらゆる情報を連続的に活用可能な、BIM(Building Information Modeling)、CIM(Construction Information Modeling)とVRによる統合ソリューションを提供しています。
様々な業種で威力を発揮する3次元リアルタイムバーチャルリアリティ『UC-win/Road』は、地形・海底地形など世界をカバーした大規模な3次元空間、VRを短時間に作成できます。国土交通省は昨年3月、BIMガイドラインを策定しました。当社は同省が推進するCIM、BIMにいち早く対応しました。私どものソリューションの特徴は、VRをベースにしたインフォメーションモデリングを行うところです。VRで様々なシミュレーションを行い、その結果を図面に落とし込みます。さらに『国土強靭化設計支援ソリューション』も注目されています。アベノミクスで推進されているのも後押しとなっています。国土強靭化政策大綱に基づく土木設計・IT関連の業務をサポートします。解析、設計分野の3次元のソフトウェア群を用いて、3Dデジタルシティ・GIS、震災対策ソリューションなどを提供しています。近年、設計会社で高精度解析が行える3次元ソフトウェアの導入が進んできました。今後も普及が加速していくものと期待しています」 
 ――昨年2月には、中国で大型のドライビングシミュレータが完成したそうですが
 「フォーラムエイトは、8自由度大型モーション搭載のドライビングシミュレータ『8DOF交通安全シミュレータ』のシステム統合を完了しました。ドライビングシミュレータは、中国交通部が交通安全研究のために計画したシステムで、交通運輸部公路科学研究院が仕様を作成・構築した大型シミュレータです。 
2009年に国際入札で当社が単独受注し、14年2月に最終の受け渡し検収により完成し運用を始めました。6自由度モーションプラットフォームとYawテーブル、Xテーブルで構成される8自由度車両運動モデル実車運転模擬装置となっており、『UC-win/Road』のクラスタ構成による360度投影装置、音響システム、振動装置などで、実運転に限りなく近い環境を提供します。交通流シミュレータ、車両運動モデル、視線追跡などの計測装置も、最高水準のシステムと『UC-win/Road』が連携し、高度な安全運転研究に貢献します。具体的には、約9メートルのレールの上にモーションプラットフォームを載せて、中にはクルマ1台が入っており、そこで360度の空間を表現して実運転に近い動きをさせるものです。内部のYawテーブルによって実際の運転に近い空間再現ができるのです。近年、ドライビングシミュレータが自動運転、自動走行の研究に活用されるようになってきました。当社は、早くから各種ドライビングシミュレータを市場に提供しています」
 ――「VR-Cloud®」も展開していますが
 「『VR-Cloud®』は、クラウドサーバ上で3D・VRを利用する合意形成ソリューションです。インターネット環境さえあれば、シンクライアントでもWebブラウザでVR空間を操作できます。ユーザーにシステムを提供するとともに、私どもが主催する各種コンテストの審査で運用されています。
例えば、昨年11月19日から21日に開催した『第8回フォーラムエイト デザインフェスティバル 2014-3Days』での『第13回3D・VRシミュレーションコンテスト オン・クラウド』ではクラウドによる一般投票を行いました。
なお、第13回のグランプリはトヨタ自動車の『協調型ITSドライビングシミュレータ』でした。多くのユーザーさんが私どもの3D・VRソリューションを利用しているのは感慨深いですね。3D・VRソリューションが世界中で一般的になってきました。われわれにとって大きなチャンスで、今後、さらにひとつ上の段階の開発にチャレンジしていく状況が醸成されつつあります」
 ――ロボットを用いたソリューションの技術開発にも注力されています
 「ロボット事業では、『3DVRと連動する自律飛行型UAVによる構造物調査システム』が国土交通省の公募による次世代社会インフラ用ロボット・現場検証対象技術で採択されました。同システムは、『コンクリート橋の近接目視』と『床版の近接目視』の2項目について採択されています。これは『UC―win/Road』のVRデータと自動飛行ロボットである多翼ヘリコプターを連動させたカスタマイズシステムで、遠隔PCからの操作により橋梁やダム等の土木構造物調査を安全かつ迅速に実施することができます。ロボットに搭載した小型HDカメラ、IRカメラ、温度・湿度センサ等を活用して情報を収集し、周囲の写真や映像の送信を行うことで、無人機周辺の構造物のリアルタイム3Dモデル化が可能となります。マルチコプターをVR空間でプランニングしたり、シミュレートできる、イメージとしては空間を作ってそこを自動飛行し、撮影したものを計測してそれを点群化する機能が特徴です。何点か写真を撮影して位置情報が正確に出ていればその立体物を作ることができます。撮影した画像を『UC-win/Road』の処理で点群化して形として見えるようにしているのです」 

▲自動飛行ロボットをカスタマイズ ▲3DVRと自動飛行ロボットの連携

 ――昨年も多くの展示会にブースを出しました
 「印象深かったのは『TOKYO GAME SHOW 2014』でした。当社は鉄道シミュレータも展開していますが、ゲームショーではちょっとしたシミュレータを置いたのですが、鉄道マニアの方が数多く来場されて、鉄道会社の模擬制服を着た本気モードの人もいて、運転を楽しんでいました。『第13回3D・VRシミュレーションコンテスト オン・クラウド』では、東京地下鉄の『東京メトロ地下鉄シミュレータ』がノミネートされました。鉄道シミュレータは業務用として納入しているのですが、今後はオンラインゲーム系といったエンタテインメント向けも視野に入れています。『第21回ITS世界会議デトロイト2014』(9月7日から11日、米Cobo Center)にも出展しました。自動運転技術が注目されていることもあって、盛況でした。私どもも自動車業界向け各種ソリューションを展開していますが、ITS分野ではR&Dで30年、50年先まで開発を見越しているので、自動車関係の展示会は大変、勉強になって、私どもが今後進めるべき方向性が見えてくる感じがします」

▲ブースの模様 (ITS世界会議デトロイト) ▲鉄道シミュレータ(TOKYO GAME SHOW 2014)

 ――今年(2015年)の抱負をお聞かせください
 「3次元リアルタイムバーチャルリアリティ『UC-win/Road』に代表されるように、私どもがカバーしているのは、IT分野全般に亘っています。そこで世界的に通用する製品あるいはサービスをさらに展開したいと考えています。あらゆる分野に進出することが自分たちのソフトウェアの価値を高める、サービスの価値を高めることに通じると確信しているので、今後、一層チャレンジをしていきたいと思っています。視野に入れているのは、さきほどのゲーム関係、それから医療分野にも注目しています。ただ、目的実現のためのハードルがあります。それは優秀な人材の確保、スタッフの強化です。戦術としては、海外市場を重要視していますので、当社は中国・上海、中国・青島に加えて台湾・台北に事務所がありますので開発やモデリングサービスを行うとともに、現地での採用を進めています。
国内では地方。政府は地方創生を掲げています。地方での技術要員の採用・育成を進めます。それから異業種の人材。IT企業以外で人材リソースが豊富な業界からスカウトし、3D・VR分野で働けるエンジニアを育てたり、コラボレーションしていくのもひとつの手だと考えています」

 ――土木・建築分野で新製品を教えてください
 「昨年10月、『UC-1 Engineer’s Suite』の新たなラインナップとして『UC-1 Engineer’s Suite積算』をリリースしました。積算ソフトのリリースは初めてです。設計計算、数量算出、積算というCIMの目指す各段階の連携を、UC-1シリーズでさらに強化することができます。設計では『UC-win/Road』で動くCADソフト『3DCAD Studio』を土木用に開発しています」 
▲ スイート積算全体イメージと積算連動

 ――ユニークな駐車場予約システムがあるということですが
 「私どものデザインアワードの審査員でもあるハーバード大学准教授のコスタス・テルジディス氏が考案したクラウド型駐車場予約システム『オーガニック・パーキング』です。個人間で駐車スペースの利用時間を取引き可能なシステムで、駐車スペースにクルマを止めている利用者が、スマートフォンを通じてスペースの販売価格と出庫時間を入力し、この情報が地図上に表示されます。これから駐車したい人はこの地図を見て、売り手とチャットでやり取りし、約束の時間に現場でクルマを入れ替えるといった形です」

 ――一般財団法人最先端表現技術利用推進協会(表技協)と協力して行うソリューションは
 「ブラウザベースで動く3DVR閲覧ソフトです。例えば、コンビニエンスストアをモデリングして、ネット上で仮想的な買い物ができるといったものです。3次元空間の中から商品の情報などが閲覧できるイメージです。『UC-win/Road』は3次元空間をつくるのを得意としているので、パラメーターだけで簡単に仮想的なエレベーターやエスカレーターをつくったり、高度な群集シミュレーションもつくることができます」

 ――展示会では日本で『SIGGRAPH Asia』が開かれます
 「世界最大規模のCGとインタラクティブ技術を中心としたデジタルメディア、デジタルコンテンツに関する国際的な祭典『SIGGRAPH Asia 2015』が今年11月2日〜5日、神戸市で開かれます。この誘致の成功には、表技協及びフォーラムエイトが深く関わってきました。表技協、フォーラムエイトでは例年にも増して、最新技術の成果をここで展示したいと思っています」

 ――最後に、フォーラムエイトの強みを活かした展開についてお話ください
 「私どもの社是は『社会性…Sociality』、『先進性…Up&Coming』、『協調性…Forum Spirit』です。国民が安全安心に暮らしていくため、社会インフラの維持管理が重要なことは言うまでもありません。橋梁やトンネルの老朽化対策が話題になっていますが、フォーラムエイトは、冒頭でお話しましたように例えば建築土木設計分野で、ソフトウェアやサービスを提供して社会貢献をしてきました。自動車、鉄道関係にも強いパイプがあって、これは将来のことですが、本社のある品川駅周辺の再開発は私どもにとって大きなビジネスチャンスと思っています。私どもは、ベースとなる3DVRソフトウェア『UC-win/Road』を様々な産業に向けて提供していますが、私どもは『UC-win/Road』をさらに成長させていきます。スマート社会の実現では、例としてクラウド型駐車場予約システムを挙げましたが、ITを使ってスマート化を実現し、社会貢献を果たしていきたいと思っています」
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